リスクと時間(利食い大好き方式の効能)
私のトレーディングポリシーは、「利食いが大好き」です。
これでは、なにを言いたいのかお分かりにならないかと思いますので、少々解説をさせていただきます。
もともと、私のディーリングスタイルは、相場の方向性を見出すと、ターゲットはそこと決め、ポジションを持ち続けるやり方でした。
確かに、これは当たれば、大きな利益を生みますが、目標点まで行く過程で上げたり下げたりをしながら辿りつく相場の中で、ポジションを持ち続けることは、心身共に相当消耗します。
ある時、私のそんなやり方を、よく儲けている外銀の友人に話したところ、「そんなことしちゃ駄目だよ。そんなことをしたら、疲れるばかりだ。俺なんか、利食いが大好きだから、利食えたらどんどん利食ってしまう。それでも、まだ行くと思えば、またポジションを持ち直せばいいんだよ。」という、実に軽やかな考え方で、正直、目からウロコでした。
実際やり方を変えてみると、確かに疲れないし、利益も蓄積されることがわかり、それ以降、この「利食いが大好き」方式のディーリングに切り替えました。
さらに、このディーリングスタイルには、もっと重要な意味合いがあることに気づきました。
それは、このスタイルはリスクを出来るだけ抑える効果があるということです。
つまり、ポジションを保有する時間が長ければ長いほど、リスクに晒される期間が長くなり、実際リスクと出会う可能性が高くなります。
言い換えれば、ポジションを持つ期間が短いほど、リスクが軽減されるという時間とリスクの相関関係が明らかになり、また、ポジション保有期間と疲労度もまた、相関関係にあることもわかりました。
ディーリングは、心技体です。技を持つことはもちろん大事ですが、心身が疲れていて、集中力がないと良い結果は生まれません。
まず心身の健全を保つこと、そしてテクニカル手法やファンダメンタルズ分析などの技を磨くことが、ディーリングには必須だと思います。