ミズラン(Mizlin) Part.72
ミズラン(Mizlin)。これは、ミシュラン(Michelin)と私の名前をもじったおいしいお店紹介のコラムです。
魚三酒場(うおさんさかば)
住所:東京都江東区富岡1-5-4
TEL:03-3641-8071
意地が悪いようですが、おいしいところをお教えする以上、この情報をもとにご自身で探してみてください。
安くておいしい新鮮な魚やつまみにお酒とくれば、行列が絶えないのもわかります。
結構、回転も良く、並んでも15~20分くらいで中に入れることもありますが、タイミングとの勝負ですので、待ち時間の長さは保証の限りではありません。
大人数は、無理です。ひとりかふたり、多くても三人で行くところです。
お店に入ると、コの字型のカウンターが二列並び、お隣さんとの間隔は結構いっぱいいっぱいですが、そこはそれお互いあうんの呼吸で間合いを取っていて、それぞれの空間を保っているところが大衆酒場らしい雰囲気です。
そして、正面の壁一面に、お品書きの短冊が所狭しと貼り付けられていて、壮観です。
どれだけ安いかといえば、たとえば、なみなみつがれた冷のコップ酒が一杯180円とか、「たこの吸盤」が100円といった具合です。
中トロも脂が乗っておいしく、赤魚の煮付けも、酒の肴にはもってこいです(各400円前後)。
うにも、箱で600円ぐらいです。
このお店の注文スタイルは独特で、注文をしている途中で「えーと、それに...」とかつまずくと、店員さんは踵を返し、それまでに聞いた注文を調理場にどんどん通してしてしまいます。
そして、その後の注文は、別途新規に受け付けます。
さらに、おもしろいのは、注文の品ができてくると、店員さんが大声で「やきはま(焼き蛤)注文の方!」と叫び、手を上げたお客さんに渡ります。
注文の品にお客さんの返事がないと返品、だれかが「それ、こっちで受けるよ」と別のお客さんが言えば、そのお客さんに回って、そのお客さんの勘定になるという実にどんぶり勘定のおもしろいシステムです。
皆、店員さんとのそうしたやりとりを楽しみながら一杯やるようなネアカなお店です。
最後の〆におすすめなのは、「ぶりつゆ(100円)」で、ぶりの良いダシが出ていて一品です。