米雇用統計の結果が相場の分岐点
ニューヨークダウは、発表された米ISM非製造業景況指数が48.4と予想48を上回ったものの、好不況の分かれ目である50を11ヶ月連続で下回ったことを受け、一時利益確定の売りが強まったものの、米小売り大手各社が発表した8月の既存店売上高が全体として予想ほど減らなかったため、景気回復期待が再び強まって上伸に転じ、前日比63.94ドル高の9,344.61ドルと、5営業日ぶりに反発して、取引を終えました。
米国債10年物利回りは、経済指標が期待したほど強い内容でもなかったことから低下気味でしたが、ニューヨークダウで買い戻しが強まったことや、来週の入札をにらんで上げに転じ、暫定値ながら前日比0.033%上げて3.339%で引けました。
原油価格は、経済指標が期待ほど強くなかったこともあり下落し、前日比0.09ドル安の67.96ドルで引けました。
金価格は、ニューヨークダウや原油が利益確定売りに押される中、安全資産として大量の資金が流入しているもようで、990ドルを回復すると一気にストップロスを巻き込んで上昇し、前日比12.60ドル高の991.10ドルで取引を終えました。
為替相場は、ECBが政策金利を1.00%に据え置きましたが、その後のトリシェ総裁の会見から、ECBは現行の金利水準を当面維持するとの見方が広がり、ロンドン時間、上昇していたEUR/USDなど円以外の通貨の対ドルは反落しましたが、ドル/円は堅調に推移し、その結果、クロス円はロンドンで上げた後、ニューヨークでは、大方のクロス円はやや右肩下がりとなりました。
本日の米雇用統計を前に、マーケットがニュートラルな(中立的)な水準に収まって指標を待つ格好となっています。
マーケットの大勢が、今日の米雇用統計の結果によって、米景気回復期待をこれからの今後のテーマとするのか米景気後退懸念を今後のテーマとするのかの判断の分かれ目になるものと思われ大変重要な局面だと言えます。
午後9時30分の発表まではひたすら待ちの姿勢で行きたいと思います。