クロス円、復活か
ニューヨークダウは、発表された8月の米雇用統計で、失業率は9.7%と予想の9.5%より悪化、そして非農業部門就業者数は-21.6万人と予想の-23万人より改善と、まちまちの内容になったことを受け、上下に大きく振れました。
しかし、失業率は近いうちに10%前後に達することは既に幅広く予想されている上、非農業部門就業者数の減少幅の縮小傾向が確認されたことから、市場では結果的に買い安心感が広がり、結局前日比96.66ドル高の9,441.27ドルで取引を終えました。
米国債10年物利回りは、米雇用統計については、悪化は鈍化傾向にあるが回復にはもう少し時間がかかるという、市場や当局者の認識を概ね裏付ける内容となったと解釈されました。
それよりも関心は、来週の合計700億ドルの入札に向き、利回りは上昇し、暫定値ながら前日比0.098%上げて3.442%で引けました。
原油価格は、売りが優勢となり、一時67.12ドルまで下落したものの、ニューヨークダウが上げ幅を拡大したこともあって、買い戻され、前日比0.06ドル高の68.02ドルで引けました。
金価格は、安全資産買いの動きも一服し、ここ数日の急伸で、1000ドル目前では利益確定売りも入って、軟調な展開となりましたが、EUR/USDでドル売りが強まったことから、押し目買いも出て、前日比-1.00ドル安の996.70ドルで取引を終えました。
為替相場は、米雇用統計発表直後は乱高下しましたが、結局、ドル/円とEUR/USDなど円以外の通貨の対ドルが上昇となり、その結果、クロス円は大きく反発しました。
予想する景気回復シナリオに大きな狂いは出ていないと市場が再認識した格好となり、ドル安円安相場になったものと思われます。
ドル安円安相場である以上は、今週随分と売り込まれたクロス円は、強くなるものと思われます。