為替相場はドリフト(漂う)状態
ニューヨークダウは、ドバイ金融当局者が、「ドバイ・ワールドの債務を保証しない」と発言したと伝わったことで、ドバイ債務問題への懸念が改めて台頭しましたが、アラブ首長国連邦中銀が追加資金供給の実施を発表するとともに、金融機関を支援するとの立場を強調したため、懸念はやや後退し買い戻されました。
また、発表された11月のシカゴ購買部協会景気指数は56.1と予想の53.0を上回り、買い安心感が強まり、前週末比34.92ドル高の10,344.84ドルで取引を終えました。
米国債10年物利回りは、アラブ首長国連邦中銀が内外の金融機関に対する流動性支援を発表したことで、ドバイ懸念が後退し、序盤こそ上昇しましたが、その後はじりじりと低下し、前週末比0.009下げて3.196%で引けました。
原油価格は、発表された米シカゴ購買部協会景気指数が予想に反して上昇したことや、英政府が英国籍のヨット乗組員5人がイランで拘束されていると発表したことによる緊張感の高まりから買いが強まり、前週末比1.23ドル高の77.28ドルで引けました。
金価格は、U.S.Dollar Indexが下げ渋ったことや、このところの最高値更新を続けたことで利益確定の売りが入ったものの、ドルの先安観は依然として強く、再び上昇し、前週末比6.80ドル高の1,182.30で取引を終えました。
為替相場は、ドル/円、クロス円は、いったんは下値を試そうとしましたが、本邦通貨当局(政府・日銀)による為替介入への警戒感は払拭できず、その後どっちつかずの横這い状態となりました。
EUR/USDなど円以外の通貨の対ドルにも、このドル/円、クロス円のどっちつかずの状態は伝染し、狭い値幅での取引に終始しました。
為替介入に対する警戒感により、ショートは振れない、だからと言って、ロングにしても上値が重たいということで、やる気が萎んで、相場が膠着しています。
返って、実際に為替介入が実施された方が相場に動きが出ますが、やるぞやるぞと口先介入を繰り返すばかりですと、このようなやる気の失せた相場が続くものと思われます。
やる気のない相場を本邦通貨当局が狙っているとしたら、それはそれなりに成功でしょうが、ショートが出来ない分、上値は限られるものと思われます。