トレンド イズ フレンド
ニューヨークダウは、発表された4月の米住宅着工件数が67.2万件と予想の65万件を上回り、1年半ぶりの高水準となったことから、堅調に推移しました。
ところが、独政府が国内市場で取引されている大手金融株やユーロ圏各国国債の空売りを一時的に禁止するとの報が伝わると、EUR/USDは急落し、これを受けてニューヨークダウも反落となり、前日比114.88ドル安の10,510.95ドルで取引を終えました。
米国債10年物利回りは、発表された4月の米生産者物価指数が前月比-0.1%と予想を0.1%を下回り、インフレリスクの後退で米FRBは長期的に低金利政策を継続するとの観測が広がったことや独政府の空売り規制発表を受け、EUR/USDが急落したことから、質への逃避としての買いが強まり(利回り低下)、暫定値ながら前日比0.141%下げて3.346%で引けました。
原油価格は、EUR/USDの約4年ぶり安値水準への下落と、それを受けたニューヨークダウの反落から、リスクマネーが逃避し、前日比0.67ドル安の69.41ドルで引けました。
金価格は、手掛かり難で、前日比13.50ドル安の1,214.60ドルで引けました。ただ、EUR/USDの急落でニューヨークダウが反落したことから、時間外取引では、一時1,230ドル近辺までの反発がありました。
為替相場は、EUR/USDなど円以外の通貨の対ドル、ドル/円、クロス円の買戻しが先行しましたが、独政府が空売り規制を発表すると状況は一変し、EUR/USD中心に全体的に大幅な下落となりました。
買戻し局面では、単に買い戻していただけではなく、買い先行で上値を試したロング筋もいたようで、そうしたロング筋の投売りが下げを加速させたもようです。
独政府の空売り規制発表は、ユーロが非常に不安定となっているところに、追い討ちをかけた形となり、調整局面は早々と終え、トレンド方向への動きを再開させるきっかけとなりました。
やはり、トレンド相場では、調整局面を考えるよりも、ディーラー言葉で「トレンド イズ フレンド(トレンドが友達)」とあるように、トレンドを追うことを優先させることが重要だと改めて痛感した次第です。