投資家のユーロからの逃避行動は続くか
ニューヨークダウは、依然としてギリシャなど一部欧州諸国の財政に対する懸念は払拭されておらず、また発表された4月の中国の消費者物価指数が前年同期比2.8%上昇(予想2.7%)となり、中国のインフレ加速に対する警戒感も重しとなり、前日比36.88ドル安の10,748.26ドルで取引を終えました。
米国債10年物利回り、前日並みの水準での揉み合いに終始し、暫定値ながら前日比0.013%下げて3.527%で引けました。
原油価格は、ニューヨークダウに連動して推移し、結局前日比0.43ドル安の76.37ドルで引けました。
金価格は、根強いユーロ圏への不安感から買われ、前日比19.50ドル高の1,220.30ドルと引け値ベースでの高値を記録して取引を終えました。
為替相場は、いったんは、ニューヨークで、EUR/USDなど円以外の通貨の対ドル、ドル/円、クロス円、いずれも買われました。
しかし、一昨日のようにEU当局がいかに大々的な対応策を打ち出しても、今回のギリシャだけではなくその他南欧諸国の債務問題が簡単には片付かないというマーケットの不安感は沈静化されておらず、再び全体的に下落に転じました。
特に、EUR/USD、EUR/JPY、EUR/GBPでのユーロ安が目立ち、ユーロ不信の根深さを感じます。
いったん欧州が危ないと感じた投資家筋が、そう簡単には逃避行動を止めることはないと思われ、主に安全でかつ流動性の高いドルに資金はシフトを続けるものと思われます。
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