中国当局の否定発言に反発したけれど
ニューヨークダウは、前日のユーロ圏債券の保有高を減らすとの報道を、中国国家外貨管理局が「全く事実無根」との声明を発表し、その上で、中国がEUとIMFが打ち出した金融市場安定策を支持する姿勢を強調したことから、10,000ドルの大台を再び回復し、前日比284.54ドル高の10,258.99ドルで取引を終えました。
米国債10年物利回りは、ニューヨークダウが280ドル超値上がりしたことから、米国債への逃避買いは一服し(利回り上昇)、暫定値にながら前日比0.161%上げて3.350%で引けました。
原油価格は、中国がユーロ圏債券の保有を見直しているとの報道を中国政府が否定したことで市場に安心感が広まり上昇し、前日比3.04ドル高の74.55ドルで引けました。
金価格は、ニューヨークダウが急伸する中、これまで安全資産の逃避買いが利益確定売りに押され、前日比0.90ドル安の1,214.40ドルで取引を終えました。
為替相場は、中国がユーロ圏債券の保有を見直すとの前日の報道を中国当局が否定したことで、ニューヨークダウも急反発し、リスク回避のEUR/USDなど円以外の通貨の対ドル、ドル/円、クロス円でのショートポジションの買い戻しが集中しました。
ただし、EUR/USDの週足で言えば、それまでの週足の実体としての安値である2008年11月17日の週の寄り付き1.2526までも戻していませんし、また、EUR/JPYの週足で言えば、それまでの週足の実体としての安値である2009年1月26日の週の寄り付き114.09までも戻しておらず、現段階ではあくまでも調整の域を脱していません。
ドル/円に至っては、最近のレンジ内の動きに終始しています。
一昨日から昨日に掛けての中国ネタは、今のところ、これまでの相場を転換するには至っていないものと見ています。