マーケットの関心は、欧州から米国に移るか
ニューヨークダウは、世界的な株安連鎖の流れを受けて大きく値を下げ、一時150ドル近く下げて、10,000ドルの大台を割り込みました。
しかし、ドイツ議会が欧州の金融安定化策を承認したことに加え、前日に米上院で可決された金融規制改革法案が最終的には懸念されたほど金融機関に厳しい内容にならないとの観測が広まったことなどから急反発し、前日比125.38ドル高の10,193.39ドルで取引を終えました。
米国債10年物利回りは、ニューヨークダウが10,000ドルを割ると一時3.10%まで低下したものの、その後ダウが反発したことから3.23%台を回復し、暫定値ながら前日比0.024%上げて3.236%で引けました。
原油価格は、ニューヨークダウの下落に69.00ドルまで一時下げましたが、ダウの動きが落ち着くと揉み合いとなり、前日比
0.76ドル安の70.04ドルで引けました。
金価格は、一時1,166ドル台と5月5日以来の安値水準を記録し、前日比12.50ドル安の1,176.10ドルと4日続落して取引を終えました。
為替相場は、ニューヨークダウが下げると、ドル/円、クロス円も下値を試しました。
その後、ダウが反発すると値を戻しましたが、ドル/円、クロス円の戻りは限られました。
前日のニューヨークでのユーロ高円高相場の真相は、ビッグプレーヤー(大口の投機筋)が、手持ちのユーロ売りポジションと円売りポジションを大きく手仕舞ったためだったもようで、相当の額の手仕舞いとその巻き添えとなったその他のプレーヤーの相当の額のロスカットが出たものと思われます。
その翌日の昨日は、ニューヨークダウには神経質にはなりましたが、マーケットはかなり痛んでおり、結局は大きな動きにはなりませんでした。
それよりも、これまでのマーケットのテーマであった債務問題で揺れる欧州から、もしかしたらまずいことになっているかもしれない米国に関心が移る可能性がありますので、米国の動向にも十分な注意が必要ではないかと見ています。