全体的に下落リスク残る
ニューヨークダウは、発表された6月の米ADP雇用統計が1.3万人と予想の6.0万人を大幅に下回ったことから、米雇用情勢の悪化に対する懸念が強まりました。
また、格付け会社ムーディーズがスペインの格付けを格下げ方向で見直すと発表したため、欧州経済に対する不安が再燃したことや、中間期末日当日ということもあって、ヘッジファンドなど大口投資家が損益を確定し持ち高を整理するための換金売りも強まり、前日比96.28ドル安の9,774.02ドルで取引を終えました。
米国債10年物利回りは、格付け会社ムーディーズがスペインの格付けを格下げ方向で見直すと発表したことや、ニューヨークダウの下落から逃避買い(利回り低下)が強まり、暫定値ながら前日比0.018%下げて2.931%で引けました。
原油価格は、発表された週間石油在庫統計でガソリン在庫が予想外の増加うを示したことが嫌気され、前日比0.31ドル安の75.63ドルで引けました。
金価格は、EUR/USDが上昇(ドル安)に振れたことでドルの代替資産としての魅力が高まり、前日比3.50ドル高の1,245.90ドルで取引を終えました。
為替相場は、ECBの1年物オペの期限を翌日に控えて行われたECBの3カ月物オペでの金融機関の応札額が注目されていましたが、応札額が予想を下回ったことから、欧州金融機関の資金繰りをめぐる懸念が後退したとして、ロンドンからニューヨークに掛けて、EUR/USDはいったんの反発を見ました。
しかし、ムーディーズによるスペインの格下げ方向での見直し発表で再び軟化しており、依然下落リスクがあります。
それよりも、ニューヨークダウの下落、米国債10年物利回りの低下から、相関性の強いドル/円やEUR/JPYなどクロス円の
下落リスクが高まっており、要警戒です。
明日の米雇用統計発表が注目されます。
ただし、翌週月曜は、夏休みシーズンの始まりを告げる米インディペンデンス・デーの祝日ですので、雇用統計発表後は、ポジション調整が強まる可能性もあります。