これからの展開は
まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足を見てみますと、ドルは、84.00近辺まで、まだ下げ余地がありそうです。
U.S.Dollar Indexの週足
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W (上がドル高、下がドル安)
これは、EUR/USDの買いの強さ(ドル安)、ドル/円の売りの強さからきているのではないかと思われます。
これにより、これまでのドル高円高やドル安円安と言った相場とは異なり、一時的かもしれませんが、ドル安相場になっています。
今のところ、EUR/JPYはじめクロス円の上値が重くなっており、EUR/USDの上げよりも、ドル/円の下げの方が、強まっています。
しかし、ドル/円は、89.00、88.50、88.00どれも心理的には強い抵抗線ですし、どこまで下げられるかは、どの段階でマーケットのロングポジションが解消し、ショート転するかに依るものと見ています。
したがって、ドル/円はどこまで下がるかを試し、一方EUR/USDは目先のレンジの上限であ1.2500近辺を上抜けるかを試すことになり、その結果次第で、EUR/JPYはじめクロス円の方向が決まってくるものと考えます。
次に、6月22日時点のシカゴIMMのポジションを見てみますと、ユーロショートは前回に比べ若干増えて70,974枚(前回62,360枚)、円ショートは前回とあまり変わらず3,630枚(前回3,680枚)となっています。
6月22日時点のシカゴIMMポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
EUR/USDがその後、買いが強まったのは、間近に迫った6月末の英米中間決算前に最後のポジションの手仕舞いが出ているためではないかと見ています。
ドル/円はポジションがほとんどないのに下げたのは、先週末、中国人民銀行が発表した人民元の弾力化を、世界経済にとって良いことなのでリスクが回避されたとして、23日以降押し目買い(ドル買い円売り)が続いたことによって、マーケットがロングになりジリ安になったものと思われます。
EUR/USDは、中間決算前の手仕舞いが、6月最終週を迎え終了するのか、ドル/円は、押し目買いによって出来たロングが解消し、ショートに転じて反発するかが注目です。
尚、今週金曜の米雇用統計によって、また新たな方向性を相場が持つことになるのかも気になるところです。