欧州の財政懸念拡大
ニューヨークダウは、ギリシャやスペインに続き、政権交代があったハンガリーに対する財政懸念が表面化し、巨額の公的債務を抱えるハンガリーの通貨フォリントが急落したことから、欧州諸国に対する信用不安が再燃しました。
しかし、金曜の米雇用統計、そして週末のG20財務相・中央銀行総裁会議を控え様子見ムードが強まり買い戻され、前日比5.74ドル高の10,255.28ドルで取引を終えました。
米国債10年物利回りは、ロックハート・アトランタ連銀総裁は失業率が高水準にとどまっていても利上げ開始する必要性を示したことや、金曜の米雇用統計への期待感から上昇し、暫定値ながら前日比0.024%上げて3.364%で引けました。
原油価格は、発表になった米週間石油在庫統計で、原油やガソリン在庫が予想以上に減少していたことで買いが強まり、前日比1.75ドル高の74.61ドルで引けました。
金価格は、金曜の米雇用統計や米利上げ期待で利益確定売りが強まり、前日比12.60ドル安の1,210.00ドルで取引を終えました。
為替相場は、ギリシャなど南欧諸国の財政問題が東欧に飛び火し、昨日はハンガリーフォリントが急落し、EUR/USDも下落となりました。
また、ウクライナでも財政問題が表面化するなど、広義の欧州に問題は拡大してきており、ユーロ安が簡単には終わらないことを印象づけました。
また、昨日のEUR/USDの1.2325近辺には明らかに、ユーロからの資金シフトを意図した公的機関ないし投資家筋と思われる戻り売りが待っていて、上値をキャップ(蓋)したもようです。
ドル/円に関しては、いったんEUR/USDの下落に連れ安となったものの、ショートカバーで上がった相場だけに、ポジションがロングになっておらず、結局また反発しました。
ドル/円は、ロングが積み上がらないことには、目先下げづらいものと思われます。