なりきれない円安一辺倒
ニューヨークダウは、発表された4月の米中古住宅販売件数成約指数が6.0%と予想の5.0%を上回り、改善は3ヶ月連続で、6ヶ月ぶりの高水準となりました。
また、メキシコ湾で原油流出事故を起こした英石油大手BPは、刑事と民事両面から米司法当局の調査を受けていますが、悪材料出尽くし感で反発となり、前日比225.52ドル高の10,249.54ドルと、前日までの2営業日で下落した計約235ドルをほぼ取り戻した格好で取引を終えました。
米国債10年物利回りは、米中古住宅販売件数成約指数が強い内容となったことや、ニューヨークダウが急反発したことで上昇し、暫定値ながら前日比0.085%上げて3.344%で引けました。
原油価格は、ニューヨークダウが大幅に反発する中、投資家のリスク許容度が回復し、買い戻しが強まり、前日比0.28ドル高の72.86ドルで引けました。
金価格は、リスク回避の安全資産として資金が流入していましたが、ニューヨークダウの大幅反発を受け、利益確定売りに押され、前日比4.30ドル安の1,222.60ドルで取引を終えました。
為替相場は、昨日の鳩山首相と小沢幹事長の辞任の報による円売りに加えて、発表された4月の米中古住宅販売件数成約指数が予想より良く、ニューヨークダウが大幅に反発したことから、リスクが回避されたとするドル売り円売りも加わり、ドル/円、クロス円の上昇となりました。
この円安が、リスクが発生すればそれを回避するために円を買うという従来の論法が、日本の政局が不透明となったことで、リスク回避先として不適当とされて、長期的な円売りとなるかは、ここしばらく様子を見る必要がありそうです。
ただし、欧州危機については、未だに落ち着きを取り戻してはおらず、円安一辺倒にはなりきれないのが本音です。
なお、ユーロへの信認が揺らぐ中、イラン中銀が外貨準備から450億ユーロを売却し、ドルと金を買い入れたという話も伝わっており、ユーロからの逃避的な資金移動が行われていることが伺えます。