今度の土曜がXmasとなるため、前日の金曜がXmasの振替休日でニューヨークが休場となるなど、今週は超閑散になる可能性はありますが、Xmas以降の相場の方向性を示唆するような動きにはなるのではないかと見ています。
その方向性とは、ドル高円高もしくはユーロ安ドル高、ユーロ安円高ではないかと考えています。
先週は、大手格付け機関から、ベルギー、スペイン、ギリシャ、アイルランドの格下げの検討あるいは実施が連日発表され、「ユーロ圏諸国のソブリンリスク(国への貸出しリスク)懸念」という問題がまた前面に出てきています。
リーマンショック後、大きくダメージを受けた欧州の金融機関を救済するため、欧州各国政府は潤沢な資金をマーケット注入しましたが、その意味するところは、欧州の金融機関が抱えていた負債を欧州各国政府が肩代わりしたのに過ぎず、これにより各国政府は膨大な財政負担を背負い込むことになりました。
このことは、ある意味読めたことではありましたが、とうとうその時がやってきたということだと思われます。
日本も、財政赤字に悩み、それを穴埋めするために国債を大量発行していますが、国債の購入者のほとんどが国内投資家であるのに対して、欧州各国の場合は、外国人投資家に頼っている部分が大きく、その分不安定となっています。
したがい、外国人投資家が危険を感じて、逃避的に欧州各国が発行した国債の売り手に回ると、新たな欧州危機になり、ユーロが売られる可能性は高く、その意味ではユーロにとっては大変危険な時期が、これからやってくるものと見ています。
つまり、EUR/USD、ユーロクロスは、年末年始以降、さらに売られる可能性が高いと思われます。
EUR/USDで申し上げれば、今年の6月7日の安値1.1876を目指すものと考えています。
そして、EUR/JPYは、目先は、今年8月24日の安値105.44を試すことになると思われます。
それでは、ドル/円ですが、上値はかなり重く、反落する可能性は高く、11月1日につけた80.21の安値を試す時がくるものと見ています。
EUR/USD、EUR/JPY、ドル/円、それぞれに上記で上げた水準に到達する時期は同時ではなく、交互に下値を試していくのではないかと思われます。
ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足を見てみますと、
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
前々週までの3週間の揉み合いが、実体ベース(ロウソク足の寄り付きと引け値の間の太い部分)で上に、つまりドル高方向に抜けてきており、今週も82.00方向を目指しそうです。
これは、たぶん、EUR/USDが中心となって、ドルが上昇することから示現するものと見ています。
また、シカゴIMMのポジションも見てみますと、
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
12月14日(火)時点で、ユーロは、ユーロロング35,689枚に対して、ユーロショート45,993枚、ネットユーロショート10,304枚です。(前回、ネットユーロショート15,290枚)
同時点で、円は、円ロング34,996枚に対して、円ショート22,261枚、ネット円ロング12,735枚です。(前回、ネット円ロング23,288枚)
ユーロ、円、いずれも、あまりポジションの偏りに大きな変化はありません。