まずドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足を見てみましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※画面レーアウトが変わっています。ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの週足を見る限りでは、依然として横ばい状態で、明確にどちらに向かうという方向性は示されていません。
ただし、過去4週間にわたって横ばいだったことから、ドル高かドル安かいずれかの方向に向かうタイミングが近づいている可能性があります。
そんな中で、動きを見せたのがEUR/USDで、5、10、25、90日移動平均線が収束してきて動くタイミングが近づいてきていたところで、先週末1.3450-1.3650近辺のレンジをドル安方向に上抜いて、1.3694で引けています。
レンジを上抜いた以上、目先、ドル売りで試すだけ試してみることになるものと思われます。
EUR/USDでのドル売りの大義名分は、インフレをにらんで根強いECBの量的緩和解除期待だと見ています。
また、このドル売りテストは、EUR/USDだけではなく、USD/CHF、そしてドル/円でも、つまり全体的に試されるものと思われます。
USD/CHFは、昨年12月31日につけた史上最安値0.9298近辺を、にらんだ動きになると思われます。
一方、ドル/円につきましては、米長期金利上昇などを理由に、海外ファンド筋が、今回、2月2日頃の81円台半ばから買い上げてきました。
しかし、上がりきれなくなれば、利益を確定するために手仕舞ってくるものと思われます。
ドル/円は、ドル余剰(ドルが余っている)の需給相場ですから、投機筋がいくら買っても、実需筋は受取ったドル建て輸出代金を売って円に換えているのに過ぎません。
したがって、実需筋はドルを売って取引が完結するのに対して、投機筋がドルを買えば買うほど、ドル/円のマーケットポジションはドルロングになっていくことを意味します。
先週16日(水)に83.98の高値をつけた以降、反落に転じており、ファンド筋の手仕舞いの可能性は高くなっていると、現在見ています。
2月15日時点のシカゴIMMポジションは、非常に興味深いことを示しています。
2月15日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング63,395枚vsユーロショート30,931枚、ネットユーロロング32,464枚(前回ロング34,734枚)。
同時点の円は、円ロング24,389枚vs円ショート42,937枚、ネット円ショート18,548枚(前回ロング36,731枚)となっています。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
ユーロに関しては、前回とあまり代わり映えはしませんが、円に注目です。
ネットポジションが、前回円ロング36,731枚に対して、今回円ショート18,548枚に転換しています。
なんと1週間で、55,279枚も円が売られてポジションが円ショートになったことになります。
つまり、マーケットのセンチメントがドル高円安に大きく移行したわけですから、その点からも、円ショートポジション(ドル/円のロング)の調整は入りやすくなっていると見ています。