ひとつ興味深いことがあります。
それは、EUR/JPYはじめ、GBP/JPY、AUD/JPYなどのクロス円でも、見受けられますが、ここでは、EUR/JPYの週足でお話を進めさせて頂きます。
EUR/JPYの週足をみますと、前週の4月4日の週の寄り付き(東京)が119.82、週の引け(ニューヨーク)が122.69からなる大陽線になっています。
さらに先週4月11日の週の寄り付きが123.28、週の引けが119.90と大陰線なっています。
つまり先週の大陰線が前週の大陽線をほぼ包みこむ、いわゆる抱き線(だきせん)の一種となっている可能性が高く、上部で出現する抱き線は天井の表示とされています。
GBP/JPYやAUD/JPYは、正確には抱き線とはなっていませんが、前週の大陽線と先週の大陰線がほぼ同じ長さで上部に出るということは、やはり天井を示唆しているものと思われます。
つまり、EUR/JPYなどクロス円は、目先さらに下がる可能性があるものと見ています。
その見方が正しければ、たとえばEUR/JPYで申し上げれば、EUR/JPYを構成するドル/円もEUR/USDもいずれも下落の可能性があるということではないかと思われます。
ドル/円は、82.61近辺にある25週移動平均線だけでなく、そのあたりには他の日足の移動平均線も複数あり、強いサポートではありますが、長期の強気相場と弱気相場の転換点となる83.43近辺の200日移動平均線を再び下回って先週末が引けており、目先は下落するものと思われます。
ドル/円は、3月25日頃から上昇を開始し、4月6日に83.53の高値をつけましたが、そこから一転して下落しています。
これは、マーケットがドルブル(ドルに強気)になり、買い下がったことで、マーケットのロングのポジションが膨らんで下げに転じ、下がると値頃感からの買いがまた出て戻しはするものの、結局マーケットのロングが解消していないため、再度下落に転ずるという悪循環に陥っているものと思います。
EUR/USDについては、上の、1.4525、1.4550にオプション・トリガー(オプションの実行や消滅が発生するポイント)があり、その手前で大量の防戦売りが出ているもようで、上値が限られています。
そして、短期の上昇トレンドをサポートしてきた5日移動平均線を、先週末には日足の実体が下回って引けている上に、5日移動平均線自体も今までの上向きから下向きに転じてきていることから下げやすくなっているものと思われます。
結論的は、EUR/JPYが天井確認して反落する可能性があり、そのためドル/円もEUR/USDも下落する可能性があります。
ただし、EUR/USDについては、テクニカル的には、まだ上に引っ張られる可能性がありますので、下げも一時的なものになることも考えられます。
ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足を見てみましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※画面レーアウトが変わっています。ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
下落を続けています。
先週の場合、U.S.Dollar Indexの一番大きなポーション(部分)を占めているEUR/USDは横ばいでしたので、ドル/円やUSD/CHFの下落が影響しているものと思われますが、未だドル高方向への本格的な反転は難しそうです。
また、4月12日時点のシカゴIMMポジションにつきましては、ユーロでは、ユーロロング105,425枚vsユーロショート40,440枚、ネットユーロロング64,985枚(前回ロング59,857枚)。
同時点の円は、円ロング14,183枚vs円ショート67,060枚、ネット円ショート52,877枚(前回ショート43,231枚)となっています。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
4月12日時点で、ユーロロングは前週より増え、円ショートも前週より増えたことが、ユーロでも円でも調整相場に導いたものと察せられます。
週後半で、ポジションは一部整理されたものと思いますが、まだポジションが残っているのではないかと見ています。