ドル/円、ロングの積み上がりが必要
ニューヨークダウは、発表された3月のケースシラー住宅価格指数が-3.61%(予想-3.4%)、5月のシカゴ購買部協会景気指数が56.6(予想62.0)、そして5月の消費者信頼感指数が60.8(予想66.5)と、いずれも悪い内容だったため、一時は売りが優勢となって小緩みました。
しかし、独政府がギリシャへの追加的な金融支援と引き換えに求めていた国債の償還期限の延長などを取り下げると伝わり、欧州の財政問題に対する不安が後退したことが買い安心感となり、前週末比128.21ドル高の12,569.79ドルで取引を終えました。
米国債10年物利回りは、発表された米経済指標が弱い内容だったことから、景気回復鈍化懸念が強まり低下し、前週末比0015%下げて3.059%で引けました。
原油価格は、債務再編なしにギリシャ支援が実施されるとの観測から、EUR/USDが上昇したことや、カナダから米国に向かうパイプラインで油漏れが発生しラインが一時閉鎖となったこともあり、前週末比2.11ドル高の102.70ドルで引けました。
金価格は、ギリシャ問題への懸念は後退したものの、利益確定売りも出たことから、先週末の水準を挟んだ動きに終始し、前週末比0.50ドル安の1,536.80ドルで取引を終えました。
為替相場は、ドル/円は、東京タイムに伝えられた、格付け大手ムーディーズによる日本国債の格下げ方向での見直し報道に、ロンドンでは上昇しましたが、ニューヨークでは、ドル売りが先行しました。
しかし、債務再編なしにギリシャ支援が実施されるとの観測から、EUR/USDで再び買いが強まると、EUR/JPYも反発し、これを受けてドル/円も再び買い優勢となりました。
ただし、日本の格下げ絡みの報道がなさても、日本の国債の保有者の大方が国内投資家であるため、国債を保有する国内投資家からの円売りは実際には起きません。
それなのに、高止まりしているのは、ひとつにはショートカバー、もうひとつには更なる上昇を狙った投機筋の
押し目買いが出ているためだと、依然見ています。
高値圏でロングが積み上がってくれば、下げやすくなるものと考えます。
EUR/USDは、1.44台でのユーロ買いは、買いすぎだと思います。