EUR/USD、依然下落の可能性
ニューヨークダウは、中国の5月の貿易統計で輸出の伸びが鈍化したことや、ギリシャの財政問題が依然くすぶっていること、韓国が政策金利引き上げたことなどから、世界景気の減速に対する警戒感が強まり全面的に売られ、前日比172.45ドル安の11,951.91ドルと、3月18日以来約2ヶ月半ぶりに終値ベースで12,000ドルを割り込んで取引を終えました。
米国債10年物利回りは、マーケット全体がリスク回避のムードが強まる中、逃避買い(利回り低下)が入り、暫定値ながら前日比0.024%下げて2.973%で引けました。
原油価格は、ニューヨークダウが大幅に下落するなど、リスク回避のムードが強まったことや、中国の輸出が予想以上に鈍化していたこと、そしてOPECは生産枠の引き上げを見送ったものの、サウジアラビアが個別に増産に踏み切るという観測もあり下落し、前日比2.64ドル安の99.29ドルで引けました。
金価格は、マーケット全体がリスク回避のムードが強まったことや、EUR/USDが急落したことから下落し、前日比13.50ドル安の1,529.20ドルで取引を終えました。
為替相場は、EUR/USDなど円以外の通貨は対ドルで下落(ドル高)、クロス円は円高という、リスク回避のドル高円高となり、後付け的に言えば、世界景気の減速懸念が強まったということになるのでしょうが、その実態は、6月末の英米の金融機関・ファンドの中間決算を控え、手持ちのポジションの手仕舞いの動きが強まったためだと思われます。
EUR/USDは、1.4323近辺の25日移動平均線でかろうじて引っかかっていますが、これをしっかりと下回ると、さらに1.4179近辺にある90日移動平均線を目指すものと思われます。
ドル/円は、EUR/USDの下落(ドル高)に連れて上昇しましたが、確たる方向性はないものと思われ、売り過ぎれば反発、買い過ぎれば反落するだけのことではないかと思われます。
クロス円については、引き続き下落方向で見ています。