ドル/円、高値圏を維持できるかが課題
ニューヨークダウは、欧州の主要な株価が軒並み下落し、欧州債務問題への懸念が再燃したことや、欧州諸国の国債に多額の投資を行っていた米大手金融MFグローバル・ホールディングスが連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したことなどを嫌気して急落し、前週末比276.10ドル安の11,955.01ドルで取引を終えました。
米国債10年物利回りは、欧州への不安感が根強く、逃避買い(利回り低下)が強まり、暫定値ながら前週末比0.199%下げて2.118%で引けました。
原油価格は、欧州への懸念が根強いことや、EUR/USDが下落したことから、前週末比0.13ドル安の93.19ドルで引けました。
金価格は、欧州への懸念が根強いことや、EUR/USDが下落したことから、利益確定売りが強まり、前週末比22.00ドル安の1,725.20ドルで取引を終えました。
為替相場では、ドル/円は、ニューヨーククローズが78.15-18近辺となったことで、78.00を上回って引けており、一定の評価をすべきことと見ています。
ただし、78.00近辺で底堅めできるかが、次の課題となります。
尚、識者のみならず、マスコミからも、「介入だけでは円高は止まらない。再び75円台へ戻す」という意見が大勢を占めてきているもようで、それが故に、逆に下げきれないのではないかという見方をサポートしてくれているように見ています。
EUR/USDは、欧州債務危機回避に向けた包括対策の実現性に対して懸念が強まったことや、米大手金融MFグローバル・ホールディングスが経営破綻したことにより、大幅反落となりました。
しかし、その実態は、先週27日(木)にEUが包括戦略で合意したことを受け、大々的なショートカバーとなりました。
そして、その後、静かにロングポジションが積み上がっていたところに、昨日ドル/円で大規模なドル買い介入が入り、これに押されてロングの投げを巻き込みながら下落(ドル買い)となったものと思われます。
EUR/USDは、予想以上にもろかった印象です。