先週末1.3000を攻めようという勢いを見せたEUR/USDでしたが、買い上げた向きの手仕舞いと思われる強烈な売りに反落となり、短期的に上を見だしていたマーケットに冷や水を浴びせかけた格好となりましたが、今週は再度上値トライをするものと見ています。
まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/?anticache=1297547080
重要なレジスタンスの水準である82.00を前週一時上抜きかけましたが、先週は反落に転じ、週足も陰線となりました。
今後、77.00方向に向けて、さらに調整色を強める可能性があります。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
1月17日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング28,396枚vsユーロショート188,426枚、ネットユーロショート160,030枚(前回ショート155,195枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング78,355枚vs円ショート19,493枚、ネット円ロング58,862枚(前回ロング59,657枚)となっています。
1月17日時点で、ユーロのネットショートは、4週連続で過去最大を更新しています。
その後ユーロの買い戻しが続きましたので、ユーロショートは減ったものと思われますが、それでも、ユーロ安を確信するマーケット参加者は依然多いものと思われ、まだかなりのショートがマーケットに残っているものと思われます。
U.S.Dollar IndexとシカゴIMMポジションを総合してユーロを見てみますと、テクニカル的にもポジション的にも、ユーロ高(ドル安)方向に向かう可能性があると見ています。
尚、円に関しましては、IMMポジションの円ロングが依然多いことから、それほど円高にはならず、むしろ円安になる可能性があると見ています。
つまり、リスクが回避されたとするドル安円安の相場に今週はなるのではないかと見ています。
特に、EUR/USDは、昨年8月30日から10月3日頃まで一本調子に下げた後、翌10月4日の1.3200近辺から反発し、10月27日には1.4200近辺まで1,000ポイントもの調整的な上昇を見ています。
何を申し上げたいかと言いますと、今回も調整相場は半端なものではなくなる可能性があるということです。
EUR/USDのようなボラティリティ(予想変動率)の高い通貨ペアの調整は、時間を掛けての調整ではなく値幅での調整となることが一般的ですので、8月末からの下落相場の10月における調整的反発がかなり大きかったように、今回もかなり大きな値幅調整になる可能性があります。
言ってみれば、ベア(弱気)センチメントを根絶やしにするような相場展開になる可能性があります。
EUR/USDがそのような調整的反発に入れば、EUR/JPYも上昇し、それにドル/円も押し上げられるものと思われます。
加えて、既に申し上げましたように、円のIMMポジションが円ロングになっていることも考えれば、円安(ドル高)方向へ向かう可能性は高いと考えています。
ただし、中長期的には、EUR/USDは下落波動の中にいますので、大き目の調整的反発後は、また下落に転ずるものと見ています。
また、ドル/円については、中長期的には、ある一定の値幅内での横ばい相場が続くものと思われます。