まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/?anticache=1297547080
実体で80.00を超して越週しており、82.00方向を目指す可能性が高そうです。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
3月6日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング39,943枚vsユーロショート156,416枚、ネットユーロショート116,473枚(前回ショート109,674枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング33,281vs円ショート52,639枚、ネット円ショート19,358枚(前回ショート1,203枚)となっています。
ユーロショートは横ばいです。10万枚ぐらいのポジションは、恒常的に残るほどマーケットが大きくなってきている可能性があります。
円については、さすがに円安が進んできていますので円ショートが増えてきていますが、2万枚弱のショートであれば、問題ないと思われます。
ただし、先週の後半は執拗に円売りが出ましたので、円ショートは、3月6日時点よりは増えているものと思われます。
先週金曜の米雇用統計により、「米国景気の回復をにらんだドル高相場」というテーマが確認されたものと見ています。
今週は、12日(月)~13日(火)が日銀の政策金利決定会合、そして同じく13日には米FRBがFOMCを開きます。
もし日銀が金融緩和姿勢をさらに強め、一方FRBが景気判断を上方修正するならば、ドル/円での買いはさらに強まるものと思われます。
また、テクニカル的にも、先週末のドル/円のニューヨーククローズが82.38となったことから、昨年5月19日の高値82.23を上回っており、新たに買いが示唆されています。
したがい、85~88円近辺のどこかまで上がる相場の途上に今あると見ています。
しかし、問題は、すんなりとした上げではなく、先週の前半にもありましたように、執拗な売り浴びせにあう局面があり、それを乗り越えてやっと、円安局面がやってくるという、なかなか一筋縄では行かない相場です。
ですので、決して高値掴み(高いところ買う)はせず、むしろ高値は着実に利食い、次の押し目を待って買うというスタンスが基本的には必要だと思われます。
一方、EUR/USDは、ECBによる欧州の市中銀行への資金供給は潤沢に行われたため、市中銀行は金余りとなっており、その資金でドル調達に出ているもようで、これに伴ってユーロ売りドル買いが出ていることが、EUR/USDの上値を重くしているもようで、いずれはさらに下落するものと見ています。
ただし、テクニカル的には、依然1.3000-1.3300近辺のレンジにいますので、ドル/円とは逆に下値を叩いてしまうと苦しい思いをしますので、戻りを待って売り、レンジの下限に近付いたら買戻し、次の戻りを待つということが必要に思われます。
EUR/JPYはじめクロス円につきましては、EUR/USDなど円以外の通貨が対ドルでレンジ的な動きが続くようですと、上昇する可能性はありますが、U.S.Dollar Indexで見ましたように、全体的にもドル高相場になってきている点には、注意しておく必要があります。
一般的に、ドル高相場になると、EUR/USDなど円以外の通貨でのドル高が、ドル/円でのドル高より早まる傾向があり、そのためクロス円が下落しやすくなります。
したがい、目先、EUR/USDなどがレンジ相場で動きづらくなってクロス円が上昇していても、その後EUR/USDなどがレンジブレイクして下げる(ドル高)と、クロス円は一転して大きく下落する可能性が出てきますので、その点には十分な警戒が必要だと思います。