リスク回避のドル買い円買い続く
ニューヨークダウは、欧州不安が根強いことや、発表された5月のADP雇用統計は13.3万人(予想15.0万人)、週次の米新規失業保険申請件数は38.3万件(予想37.0万件)、そして5月のシカゴ購買部協会景気指数は52.7(予想56.8)と軒並み予想より悪く、米景気の回復が鈍化しているとの警戒感が強まり、前日比26.41ドル安の12,393.45ドルで取引を終えました。
尚、「IMFがスペインへの金融支援を準備している」との報道に、一時買いが強まる場面もありました。
米国債10年物利回りは、欧州不安が根強いことや、発表された米雇用指標が弱い内容となったことから、翌日の米雇用統計への警戒感も高まって低下し、暫定値ながら前日比0.061%下げて1.561%で引けました。
原油価格は、欧州不安が根強いことや、発表された米経済指標が弱い内容となったことで売りが続き、前日比1.29ドル安の86.53ドルで引けました。
金価格は、売りが先行したものの、逃避買いも入り下げ渋り、前日比1.50ドル安の1.564.20ドルで取引を終えました。
為替相場では、ドル/円は78.63近辺にあった200日移動平均線を日足の実体で下回り、EUR/USDは1.2330-1.2450近辺のサポートゾーンの下限近くまでさらに下げ、そしてEUR/JPYは今年1月16日の安値97.04を日足の実体で下回って、いずれもニューヨークは引けました。
ドル/円は、200日移動平均線を下回ったことや、米国債利回りが下落を続けていることから、2月3日から3月15日までの約8円の上昇の起点である76円台までの全戻しの可能性は高まったものと思われます。
一方、EUR/USDは下げ止まり感が未だに出ておらず、結果としてEUR/JPYが2008年7月以来の下落の一番底であった今年1月16日の安値97.04を下回って引けており、新たに売りが示唆されています。
EUR/JPYについては、反発するにしても、まずは下を試すだけ試さないと反転はなさそうです。