これからの展開は(2012/07/01)
まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ざっくりと言って、81.50から83.50近辺での揉み合いになってきています。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
6月26日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング36,933枚vsユーロショート196,813枚、ネットユーロショート159.880枚(前回ショート141.066枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング43,910枚vs円ショート39,368枚、ネット円ロング4,542枚(前回ロング15,137枚)となっています。
円は、狭いレンジでの揉み合いのため、ほとんどポジションはないようです。
ユーロは、ネットショートが前回よりやや増えましたが、先週金曜、ESMが銀行に直接資本注入できるようにするとのEU首脳の合意による反騰で、ショートは結構減ったものと思われます。
いったんは、EU首脳の合意により、欧州を巡る市場懸念は後退したものと思われます。
しかし、マーケットでは、危機対応が本当に機能するのかどうかの懸念は根強く残るものと見ています。
やるとは言ったものの、銀行への資本注入の具体的な手順や条件はまだ不明で、実現可能なものか定かではありません。
そこに持ってきて、今週は、各国政策金利決定あるいは政策決定の材料となる指標発表が、2日(月)に6月調査の日銀短観、3日(火)にRBA(豪中銀)理事会、5日(木)にBOE(英中銀)金融政策委員会、ECB理事会、6日(金)に6月の米雇用統計と続きます。
金融政策の決定については、RBAは据置予想、BOEは量的緩和の可能性、BOEは利下げの可能性があり、決して一律ではありません。
また、政策決定の材料となる指標発表については、日銀短観の結果で日銀が機動的に動く可能性は低いと見ています。
米雇用統計については、先月ツイスト・オペを延長したばかりですから、今回は延長実施後の効果を見ることになり、すぐに次の行動には出づらいものと思われます。
それに加えて、4日(水)は、夏休みシーズンのスタートを告げる米独立記念日となり、マーケット参加者の動きが鈍ることも予想され、総合的に申し上げれば、今週は方向感のはっきりしない相場になるのではないかと見ています。
先週末、ポジション調整からのドル安円安になりましたが、さらにドル売り円売りをすれば、ポジションはその方向に偏り、その結果相場が反転することも十分あり得ると思われます。
ドル安円安:EUR/USDなど円以外通貨が対ドルで上昇(ドル安)、ドル/円、クロス円が上昇(円安)
こういう状況の時は、マーケットから一歩引いて様子を見ることが大事だと思います。
あえて、難しい相場で勝負することはないと考えます。
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