まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルは、ややドル高気味ではありますが、依然レンジ相場です。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
10月23日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング38,171枚vsユーロショート93,390枚、ネットユーロショート55,219枚(前回ショート53,495枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング25,550枚vs円ショート43,746枚、ネット円ロング18,196枚(前回ロング10,086枚)となっています。
ユーロも円も、前週からのポジションの変化は、限定的です。
特に円安が進行したにも関わらず、円ショートの増加が微増にとどまったのが意外です。
先週25日(木)に、日銀は30日(火)の金融政策決定会合で、異例となる2ヶ月連続の追加の金融緩和に踏み切る方針と新聞等にリークし(漏らす)ました。
国債などの資産買い入れ基金の規模を10兆円積み増す案を軸に検討するとしたことから、これを受けてドル/円は、80.34(翌朝のシドニーでは80.36近辺)まで上昇しました。
しかし、外人勢は慎重で、翌日の26日(金)の東京前から、利食い売りが始まり、その後も終日手仕舞いの売りが続きました。
外人勢も、日銀の追加緩和を見越してロングをキャリーしてきましたが(buy the rumor、噂で買う)、30日の日銀の金融政策決定会合で決定される内容が明らかになったとして利食いに回りました(sell the fact、事実で売る)。
既にEUR/USDが材料出尽くし感がありました。
30日の決定を見る必要はありますが、これについで、目先のドル/円の材料もとりあえずは出尽くし、次は11月2日(金)の米雇用統計まで待たなければならないものと思われます。
その間は、無理をせず、11月の相場をイメージを持っておくことが大事ではないかと思います。
EUR/USDは、引き続き、1.2800-1.3200近辺のレンジ相場が続くものと思われます。
一方、ドル/円は、今回のセッションでは、77.00-80.60近辺のレンジを破ることはできませんでした。
しかし、底固めをした後、11月に入ると、再び上値を試すことになるのではないかと見ています。
80.60近辺を上抜くと、今年の3月15につけた高値84.18あるいはそれ以上を目指すのではないかと考えています。
なぜ、そこまで急に上がるのかということですが、ドル/円は基本的に膠着相場です。
しかし、実際、貿易赤字が増えてきていたり、海外M&A(海外の企業を買収・合併)が過去最高となるなど、実際に円売りが出ているにもかかわらず、相場が拮抗しているため、円売り圧力が増してきているものと思われます。
その円売り圧力のガス抜きが、今年の2月、3月の76円台から84円台まで約8円上昇した原因ではないかと見ています。
こうしたガス抜きを、またこの11月にもやるのではないかと考えています。
しかし、今の段階では、まだ長期の膠着相場からは抜け切れていないため、ガス抜きが終われば、今年の3月後半以降のように、反落してくるものと思います。
前回のレンジの下限が75.50近辺、今回が77.00近辺でしたので、次回は78.50近辺になる、つまり、徐々に下値を上げてくるのではないかと見ています。
EUR/JPYにつきましては、103.45近辺にある10日移動平均線を下に割っており、102.06近辺にある200日移動平均線あたりまで下がる可能性がありますが、ドル/円が反発に転ずれば、また上げを再開するものと思われます。