まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
先週のドル高進行は、多分に円が寄与したものと思われます。
尚、ドル/円のレベルと同じ81.50近辺と82.00近辺がU.S.Dollar Indexでもレジスタンスになっているもようです。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
11月13日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング39,863枚vsユーロショート123,509枚、ネットユーロショート83,646枚(前回ショート67,141枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング21,980枚vs円ショート52,427枚、ネット円ショート30,447枚(前回ショート40,104枚)となっています。
ユーロショートがまた増えてきていますが、そのIMMポジションの基準日である13日からユーロは反発しています。
ドル/円は、14日から急上昇していますが、その前日は安値圏におり、円ショートはむしろ若干前週の基準日6日からは減っています。
今週も引き続き、ドル/円がリーディング・カレンシーになるものと思われます。
先週14日(水)以来、安倍晋三自民党総裁から強力な金融緩和発言が繰り返され、ドル/円は力強く上昇してきており、安倍氏自身も、この市場の反応を選挙に優位に使おうと今後も緩和発言を繰り返し、そのたびごとに、ドル/円は上昇するものと見ています。
目先、81.50に売りが集まってきているもようで、強いレジスタンスになっているものと思われます。
しかし、先週、木曜、金曜とこのレベルの手前まで既に攻めてきており、今週初、この水準をまずは試すことになり、これを上抜き、さらに次のレジスタンスである82.00を試すものと思われます。
82.00近辺も、強いレジスタンスですので、すんなり抜けず、何度か振り落としがあった後、再び試して突破し、上昇を続けるものと思われます。
ただし、ひとつ気になるのは、今週の22日(木)は、米国が感謝祭となり、例年このあたりから、特に11月末が決算となるファンド筋が手仕舞いに入りやすくなる点です。
これにより、折角始まったドル/円の上昇に水を差されないかということが気になるところではあります。
しかし、今年は、9月の下期のトレーディングシーズンが始まった直後、狙っていたEUR/USDがレンジ相場に入ったために、ファンド筋はそれほどの儲けを出していないものと思われ、ギリギリ最後まで、儲けを出そうとトレードするものと思われます。
尚、12月決算のところも欧米の銀行中心にありますので、その意味からは、12月第2週ぐらいまでは、アクティブな相場が続くものと見ています。
一方、EUR/USDですが、1.2800を前後して、複数の移動平均線が収束してきており、この収束が完了すると、上か下にレンジブレイクする可能性があります。
個人的には、ドル高相場と見ており、EUR/USDで言えば、下落するものと考えています。
確かに、米国の「財政の崖」問題がありますが、19日から26日まで感謝祭で米下院が休会に入るため、いったん棚上げになる可能性があります。
しかし一方では、既に空爆を始めているイスラエル軍が、イスラム系武装組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザに侵攻する可能性が出てきており、地政学的リスクを回避しようとするドル買いユーロ売りが強まる可能性はあるものと見ています。
EUR/USDのレンジは、1.2679近辺の90日移動平均線と、1.2890近辺の25日移動平均線と見ていますが、特に下限の1.2679近辺をブレイクする可能性は高いものと考えています。
EUR/JPYは、先週後半の安倍自民党総裁発言によるドル/円の上昇により急上昇しましたが、前々週の下げた分を取り戻したにすぎず、やはり相場がドル中心の相場になっているため、一時的にレンジが上か下に抜けたとしても、結局は、100.00-105.00近辺のレンジが中心になるものと思われます。