まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
日足で見てみますと、月曜から木曜に掛けて、ドル安方向を試し、金曜に買い戻されています。
さらに、週足で見てみますとたくり線(※)になっており、ドル高方向に反発する可能性があります。
(※)たくり線:下ヒゲが長く実体が小さい形状で、いったん下を見た可能性があります。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
12月18日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング69,460枚vsユーロショート79,196枚、ネットユーロショート9,736枚(前回ショート31,603枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング27,935枚vs円ショート117,098枚、ネット円ショート89,163枚(前回ショート94,401枚)となっています。
ユーロのポジションの偏りは、少なくとも昨年末以来で最低水準まで縮小しています。
クリスマスを前に、スクエア(ノーポジ)にする動きが出たものと思われます。
一方、円は対照的で、昨年末以来で最高水準近辺のネットの円ショートを維持しています。
12月19日以降、クリスマス前のポジション調整も出たことと思いますが、それでも円ショートはまだ結構残っているものと推察されます。
話はユーロに戻りますが、これまで、なにが起きてもネットのユーロショートは維持されてきました。
しかし、7月頃からEUR/USDが上げに転じ、ここに来てユーロ圏の債務危機がひとまずの一服を見せ、投資家筋が年初来下げていたユーロの保有比率を引き上げ始めたことが効いたと見え、ユーロショートの買戻しが進んだものと思われます。
現状、ユーロのポジションは、実質スクエアになったものと思われます。
EUR/USDのチャートパターンもウェッジ(楔形)・フォーメーションを上に抜き、上昇する可能性はあります。
しかし、目先1.3349近辺には90週移動平均線のレジスタンスがあり、これをすんなりと上抜くのは難しいと見ています。
むしろ、このレジスタンスを試すとロングにマーケットポジションが偏るものと思われます。
また、前述のU.S.Dollar Indexで、週足で見てみますとたくり線になっており、ドル高方向に反発する可能性があります。
このことは、ユーロが、U.S.Dollar Indexの57.6%を構成していることから、最もユーロに影響が出るものと思われます。
つまり、ユーロ安(ドル高)に反転する可能性があると見ています。
しかし、下は下で、1.2734近辺に25週移動平均線がありますので、行き着くところは、1.2750-1.3350近辺のレンジになるのではないかと考えています。
一方、ドル/円ですが、先週末のニューヨークの引け方が気になっています。
つまり、まだドル/円は、ロングにマーケットポジションが結構偏っているはずなのに、84.00割れではしつこく買いが出ており、すぐに下がる感じがありません。
このままで行くと、クリスマスで海外不在の中、12月19日の高値84.62を試す可能性もあると見ています。
この水準が抜けてくると、85.00近辺にある200週移動平均線を試すことになるものと思われます、
ただし、この200週移動平均線は、2007年12月末以来、上には抜けていませんので、かなり強いレジスタンスだと思われます。
尚、25日のクリスマス、26日の英ボクシングデーが終わり、27日(木)には、欧米勢がマーケットに戻り、大方が新年度入りしてきます。
そして、年末年始の投機相場が、本格的には、翌週31日(月)頃から始まるものと見ています。
今回は、やはり円に対する関心度は高いものと思われ、ドル/円、クロス円が投機の対象になる可能性は高いものと思われます。
狙うは、円安方向だと思われますが、年末年始で上げきれないと、もともと円ショートが溜まっていますので、一転して円高方向に向かうものと思われます。
EUR/JPYは、目先クロス円全般に重くなっていますので、下落の可能性もあるものと見ています。
尚、財政の崖については、まだ決着しておらず、関係者の発言に翻弄される可能性は高いものと思われ、十分な警戒が必要です。