まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
今週は、ドル買いからドル売りに転じています。
しかし、週の引け値が79.611で、79.00-61.00のレンジから離れてはいません。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
1月8日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング66,329枚vsユーロショート74,364枚、ネットユーロショート8,035枚(前回ロング5,126枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング32,129枚vs円ショート106,225枚、ネット円ショート74,096枚(前回ショート80,517枚)です。
ユーロは、枚数は少ないですが、ネットポジションはロングからショートに転じています。
円は、ネットの円ショートは若干減りましたが、基本的には、円ショートの傾向は続いています。
激動の相場が続いています。
先週、ドル/円は、88.21で月曜の東京は寄り付き、いったん火曜には、86.90まで下押ししたものの、翌水曜から大反発し、金曜には89.45の高値をつけ、89.19で引けました。(週間値幅2円55銭)
EUR/USDは、週初は、1.3068で寄り付き、火曜に1.3140まで上げたものの、水曜には1.3037まで下押しましたが、木曜、金曜と反騰し、金曜には1.3365の高値をつけ、1.3345で引けました。(週間値幅328ポイント)
EUR/JPYは、115.27で月曜の東京は寄り付き、いったん火曜に113.64まで下押ししたものの、水曜から反発を始め、木曜には急騰、金曜には一時119.34の高値をつけ、119.02で引けています。(週間値幅5円67銭)
以上からお分かり頂けると思いますが、ドル/円も上昇、EUR/USDも上昇、そしてその両方の上昇からEUR/JPYがさらに上昇となりました。
現在、ドル/円は、89.50、そして90.00にオプショントリガー(手前売り、上抜けるとストップロス)があり、とりあえずは上値を抑えられています。
しかし、今週月曜は、東京が成人の日で休場となるなか、米系ファンドがまた買い上げてくる可能性が十分にある上に、翌火曜は15日で5・10日(ことうび)で、輸入企業のドル買いが集中することも予想されており、ドル/円の90.00突破は、月曜ないし火曜には、実際のものになるものと見ています。
そして、翌週の21日(月)、22日(火)と日銀の金融政策決定会合で追加の金融緩和が決定される可能性があるため、今週の週後半も、円安が継続する可能性が高いものと思われます。
また、EUR/USDは、週足ベースで、先週末の引け値が1.3345になったことにより、1.3307近辺にあった90週の移動平均線を上抜けて引けており、当面1.3528近辺にある200週移動平均線を目指すものと思われます。
先週金曜、米投資銀行ゴールドマンサックスは、EUR/USDの買い推奨をしながら自らも買っており、ユーロへのなんらかのフローを彼らは把握しているものと思われます。
昨年欧州危機からユーロの保有比率を大幅に引き下げた投資家筋は、年後半になり危機が一服したと見て、暮れあたりからユーロの保有比率の再引き上げに出ているという情報も耳にしており、それが本格化してきているのかもしれません。
つまり、リスクが回避されたということで、それまでリスク回避先だった円から資金が離れ、それまでリスクがあると敬遠されていたユーロに資金が回帰しているということではないかと思われます。
その意味から、EUR/JPYの大幅上昇が予想されます。
ただし、ドル/円もまた、2010年10月以来の75.32-85.53の底値圏でのレンジ相場を、先月12月31日の引け値が86.72となったことから、月足ベースで上抜けており、新たに買いが示唆されています。
したがい、ドル/円も、クロス円も、これからさらに大幅上昇する可能性は高いものと見ています。
注意しておかなければならないことは、今まだ円安の大相場が始まったばかりだということです。
確かに、ドル/円で言えば、昨年の10月の78円台から先週末の89円台まで、既に11円の円安となっており、あまりに今までの値動きとは違ったダイナミックな相場で、このレベルで買って良いものか、手が出なくなっているかもしれません。
しかし、日々の値動きを見てお分かり頂けると思いますが、買い気が非常に強く、まだまだ、ショーカバーや買い遅れが目立ち、上がっても緩みきらない、つまりマーケットがそれほどロングになっていないことを示しているものと思われ、さらに上がる可能性は高いと見ています。
こうした大相場では、相場のダイナミズムに自らを順応させていかなければなりません。
もし、今の相場が円安トレンドとご覧になるのであれば、多少の上げ下げに翻弄されず、あくまでも円安を信じることが大切だと思います。