まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
週を通して、ドル高で推移し、週足も陽線となっています。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
2月5日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング97,397枚vsユーロショート59,445枚、ネットユーロロング37,952枚(前回ロング27,472枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング50,667枚vs円ショート119,080枚、ネット円ショート68,413枚(前回ショート71,246枚)です。
ユーロは、ユーロロングが増加気味ですが、7日のドラギECB総裁によるユーロ高牽制発言による下落で、ロングは減少している可能性があります。
円は、若干円ショートは減りました。8日の麻生財務相の円安牽制発言のドル/円の下落で、さらに円ショートは減っている可能性があります。
さて今週ですが、ドル/円は、テクニカル的には、先週の週足が、寄り付き92.75、高値94.07、安値92.12、引け値92.72と、寄り付きと引け値がほば同じで、上ヒゲが長く出た十字架線となって、上値確認の形状となり、これだけで見ても、今週は下押しの週となりそうです。
また、15日(金)、16日(土)にG20財務相・中央銀行総裁会議がモスクワで行われますが、それを意識して、先週末麻生財務相も円安にブレーキを掛けたことからも、マーケットが警戒して今週下値を試す可能性はあるのではないかと思われます。
しかし、どれだけの下落になるかですが、現在91.13近辺にある5週移動平均線が、まだ鋭角的に上を向いており、これが今週さらに1円前後上げてくるということになると92.00前後は堅いサポートになる可能性があります。
もちろん、一時的に、92.00前後を割り込んで91円台の半ばないし前半まで下落する局面もあるかもしれませんが、5週移動平均線が上向いている限り、下押しされても反発してくる可能性が高いと見ています。
つまり、今回10月からの上昇トレンドは、先週の反落はあっても、まだ終焉を迎えてはおらず、上げの途上にあるものと思われます。
ここで、上を見たとしてベア(弱気)になってショートを振れば、また上げの原動力になるものと思われます。
したがって、週末のG20までは、上値は重いかもしれませんが、その後は上昇を再開してしまうのではないかと考えています。
また、先週金曜に発表された12月の米貿易収支が、大極的でかつグローバルな構造変化を示唆しているのではないかと見ています。
12月の米貿易収支は、-385億ドルと赤字幅が前月から2割縮小し、約3年ぶりの低水準となりました。
そして、この赤字縮小を主導したのが、石油の輸入減ならびに輸出増だったことです。
つまり、「シェール革命」に伴って、石油・ガスの米国内での生産増が背景にある可能性が高いという点です。
今後、米国が石油・ガスの輸出国に転換していくことになれば、米国にドル高をもたらす一方、日本が引き続き石油・ガスの輸入国である限りは円安は続くことになり、ドル高円安は恒常化すると考えるのが妥当ではないかと考えます。
したがい、今週、週末のG20を気にして、ドル/円の上値は重いものとは思いますが、基本的には、調整を狙うにしても、大きくは狙わず、むしろ買い場探しではないかと見ています。
EUR/USDは、先週の引け値が1.3363と、1.3377近辺にあった25日移動平均線を下回っています。
当面、1.3269近辺にある10週移動平均線を試すものと思われます。
EUR/JPYは、先週の引け値が123.90と、124.71近辺の10日移動平均線を割り込んで引けています。
目先は、現在122.31近辺にある5週移動平均線を試すものと思われますが、かなり鋭角的に上げてきていますので、下に割り込んでも、反発するものと思われます。
尚、ここのところ反応薄だった米貿易収支の発表は、「シェール革命」により今後一躍注目される可能性がありますので、注意が必要だと思います。