まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
日足でわかりますが、反落後上昇となりました。
明確な方向感は、判然としません。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
4月30日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング56,771枚vsユーロショート86,920枚、ネットユーロショート30,149枚(前回ショート34,275枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング24,872枚vs円ショート95,999枚、ネット円ショート71,127枚(前回ショート79,730枚)です。
ユーロも、ドル/円も、あまりネットのショートポジションの額に変化はありませんでした。
さて、今週ですが、ドル/円は、先々週の金曜に発表された米第1四半期GDP・速報値が予想を下回ったことから急落となり、先週火曜には安値96.99をつけました。
この下落によって、ドルベアセンチメントが急速に強まり、実際戻り売りが結構出ました。
しかし、木曜には黒田日銀総裁が金融緩和策の継続を強調したことで、第一弾のショートカバー、そして翌金曜には、予想より良かった米雇用統計が発表され第二弾のショートカバーと続き、99.28の高値をつけました。
つまり、マーケットがドルブル(ドルに強気)センチメントだらけになっていたのが、先々週末払拭され、先週に入り、今度はドルベア(ドルに弱気)センチメントが台頭しました。
しかし、先週後半には、今度はドルベアセンチメントが払しょくされました。
要は、4月4日の日銀の異次元緩和による93円近辺から99円台までの7円もの上昇が急だったことから、その後は、スピード調整となりました。
4月11日の99.95から4月15日は95.80下落、そして4月22日には99.89まで反発、4月30日には96.99まで反落、そして5月3日には99.28まで反発という、ジグザグ走行を繰り返しました。
この上下動によって、ダブルトップの形成は崩れ、替わってウエッジ(楔形)フォーメーションとなる可能性が高くなっています。
上値が100円手前で水平で、下値が切り上がっているウェッジの形状は、このまま上放れる可能性もありますが、まだ多少の揉み合いが続く可能性もあります。
100円突破をするにあたり、まずは99.50以上にあるとされる売りオーダーをこなすが必要があります。
そして、この売りの厚みがどれぐらいのものなのか、今回100円に到達できなかっただけに慎重に見ていかざるを得ません。
考えようによっては、99円台の攻防戦は傍観し、100.00を突破してきたら、ストップエントリーで入るのも手ではないかと見ています。
尚、100.50にもオプションバリア(手前売り、抜けるとストップロス)があるもようです。
しかし、かなりの攻防の末の大台替えとなりそうですので、上抜けると上げ足は速いものと思われます。
EUR/USDは、先週、一時1.3200を上抜いたものの、その後は反落しており、結局、1.2967近辺の200日移動平均線と1.3153近辺の90日移動平均線に絡んだ横ばい推移を続けています。
センチメント的には、未だに上値を試したがっていますが、目先は、はっきりとした方向感はマーケットにはないように思われます。
ただし、月足などを見てみますと、下落の可能性の方が高いように、個人的には見ています。
EUR/JPYは、横長の三角保ち合い(もちあい)を形成してきており、そろそろ、上下どちらかに向かいそうです。
そして、それは、ドル/円に連れて、起きるのではないかと見ています。