まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
7月10日のバーナンキFRB議長の講演を機に、早期の量的緩和縮小期待が後退し、ドル安となりました。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
7月9日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング52,159枚vsユーロショート93,059枚、ネットユーロショート40,900枚(前回ショート16,090枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング25,117枚vs円ショート105,422枚、ネット円ショート80,305枚(前回ショート70,736枚)です。
7月10日のバーナンキ議長の講演前だけに、ユーロも円も、ショート(ドル買い)が増加傾向にありました。
しかし、講演のあった10日以降は、ショートは減少したものと思われます。
さて、今週ですが、いろいろあるイベントの中で主だったものとしては、15日(月)に中国の第2四半期GDP発表、17日(水)と18日(木)のバーナンキFRB議長の議会証言、そして21日(日)の参議院選挙があります。
ドル/円は、中国の第2四半期GDPが予想より悪ければ、リスク回避の円買いが強まる可能性があります。
バーナンキFRB議長の議会証言で早期の量的緩和縮小を示唆するようであれば、ドル買いが強まるものと思われます。
また、参議院選挙で自民党が圧勝で終われば、やはり、ドル買いが強まるというのが、一般的な見方だと思われます。
しかし、テクニカル的に見ると、以下のように、複数の移動平均線が収束過程にあり、当面動きづらそうです。
100.10近辺 10日移動平均線
99.97近辺 5日移動平均線
98.29近辺 90日移動平均線
98.14近辺 25日移動平均線
ただし、週足で見てみますと、先週金曜のニューヨーククローズが99.20となったことで、先々週の陽線(寄り付き99.44、引け値101.22)を先週の陰線(寄り付き101.49、引け値99.20)が包み込み、いわゆる抱き線(だきせん)となっており、天井を打った可能性があります。
したがい、目先は98.00~100.00近辺で動きづらくても、その後は下落に転ずる可能性があります。
その下落のタイミングは、中国のGDPや、バーナンキFRB議長の議会証言、そして参議院選挙などが考えられますが、現実的には、自民圧勝見通しの選挙が終わるまでは、少なくとも下がりにくいと思われますので、今週のところは、動きづらい展開になるのではないかと見ています。
尚、マーケットのセンチメントからすると、ドル買いにつながるような結果を期待しているように思われます。
今のマーケットの相場観は、ドル買いかスクエア(ノーポジ)しかなく、ドル売りという発想に欠けているように思われます。
これをマーケットのポジションの偏りから言えば、ロングになっても、ショートにはならないということで、この点からも、近い将来下げる余地はあると見ています。
ただし、週足を見る限りでは、昨年10月以来の上昇トレンドが、5月22日の高値103.74をつけた後、ピークアウトして、レンジ相場となったものと見ています。
レンジ相場には、3段階あり、第1段階は荒っぽい上下動、第2段階は安定期、第3段階はさらに値幅が収束しますが、新たなトレンド相場の開始が近いことを示唆します。
現状のドル/円は、まだ第1段階で荒っぽい動きになっているものと思われます。
したがって、96.98近辺に25週移動平均線のサポートがありますが、荒っぽい動きになることも想定すれば、95.00近辺までの下げは見ておいた方が良いように考えています。
しかし、あくまでもレンジ相場だと見ており、いずれはまた反発してくるものと思われます。
レジスタンスとしましては、7月8日の高値である101.49、そして102.00の心理的抵抗線です。
EUR/USDについても、日足で、以下のように複数の移動平均線が収束過程にあり、目先はレンジ相場だと見ています。
1.3112近辺 25日移動平均線
1.3026近辺 90日移動平均線
1.2957近辺 10日移動平均線
1.2956近辺 5日移動平均線
EUR/JPYも、基本的には、横ばいと見ています。