空の各駅停車 (第4話)
カラチを発って、アラブ首長国連邦(U.A.E)のドバイに向かいました。
機内食に、本場のチキンカレーライスが出ました。
これが、結構美味くて、未だにまた食べたいと思うほどです。
おなかが一杯になったところで、ふと気づいたのですが、耳がツンツンしました。
最初は気のせいかとも思いましたが、ドバイに着くまでこの耳のツンツンは続きました。
そして、ドバイに着陸となりました。
出稼ぎと思われる多くのパキスタン人が降りていきましたが、さらに先に向かう人は機内にいるようアナウンスされました。
機外を窓越しに見ていると、機長と思われる制服姿の男性が、主翼に上ってきました。
なんだろうと見ていると、突然、非常口を足でガンガンガンと蹴りこんできました。
やっと、なにをしているのかが、わかりました。
そう、非常口がほんのわずかとは言え半開きになっていたのを、閉めているのです。
そして、これが耳がツンツンした原因だったのです。
半開きがわずかだったから良いようなものの、もっと開いていたら、飛行機は爆発してしまったかもしれないと思うと、ゾッとしました。
そして、飛行機は、何事もなかったようにエジプトのカイロに向けて、離陸しました。
ドバイからカイロまで、サウジアラビア半島を突っ切っていきました。
下界は、延々と砂漠が続きました。
ヨーロッパ一人旅が終わり、日本に帰る時のフライトでのことでしたが、ギリシャのアテネからカラチに向かう途中、やはり中東の砂漠地帯を飛びました。
そして、それはナイトフライト(夜間飛行)でした。
夜の砂漠は、昼とは全く違った顔を見せます。
降り注ぐような星の輝きの下で、夜の砂漠は、漆黒のベルベットのように闇が一面を覆い、その中に、あっちにひとつ、こっちにひとつと、大きな町の光が、ダイヤモンドの粒を集めたように光を天に向かって放ち、それは、息を呑むような美しさでした。
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