まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルは、底値圏での揉み合いです。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
8月20日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング113,092枚vsユーロショート76,346枚、ネットユーロロング36,746枚(前回ロング16,057枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング19,720枚vs円ショート91,441枚、ネット円ショート71,721枚(前回ショート74,462枚)です。
ユーロは、ネットロングが増えてきています。
一方、円のネットショートは、ほぼ変わりません。
さて、今週ですが、先週末、米系ファンドがロングバケーションから戻り、早速、ドル/円を買ってきました。
確かに上がりはしたものの、マーケットがそれほどショートではなかったことや、マーケットで円ベア(円に弱気)センチメントが強かったこともあり、発表された7月の米新築住宅販売件数が予想を大幅に下回ったことをきっかけに反落となりました。
確かに、この一回の失敗で、米系ファンドが上値トライをやめるとは思いませんが、今後、上値トライが連続して失敗するようであれば、彼らはシナリオの修正を余儀なくされるものと思います。
今後の相場展開に対する見方は、ふたつに分かれているのではないかと見ています。
ひとつは、上昇トレンドの再開、もうひとつにはレンジ相場の継続です。
まず、上昇トレンドの再開の可能性は低いと見ています。
なぜなら、あまりにも多くのマーケット参加者が円安を見ており、ポジションがロングになりやすくなっていることが上げられます。
また、米量的緩和の縮小という材料も、ちょっとテーマとして、古くなってきているように思われます。
テクニカル的には、ドル/円は、6月以降レンジ相場に入っています。
もちろん、いつなんどき、上昇を再開するかわかりませんが、レンジ相場にはまってしまうとそこから抜け出すには、かなりのエネルギーと時間を要します。
今回の場合、トレンド相場は昨年10月から今年5月まで8ヶ月間続きました。
そしてその後のレンジ相場となると、それに要する時間は、トレンド相場と同等か、あるいはさらに長めになることが一般的で、少なくとも、来年の1月あたりまでは続くのではないかと見ています。
それでは、上昇トレンド相場は終わってしまったのかということですが、たぶん来年の冬場頃から再開するものと思われます。
尚、夏休みを終えてファンド筋が戻ってきていますが、もしも、ドル/円のレンジ相場が突破できなれば、さっさとターゲットにする通貨ペアを鞍替えすることになるものと思われます。
鞍替え先の通貨ペアは、主にEUR/USDになるのではないかと見ています。
EUR/USDは、昨年7月に安値をつけた後、途中、上げの調整は入ったものの、基本的には着実に上昇してきています。
つまり、欧州危機というテーマを終え、それまで資金の逃避先として大きな受け皿となった米国から資金が欧州に大量に還流する(ユーロ買いドル売り)可能性は高いのではないかと見ています。
マーケットが、主役通貨がドル/円か、あるいはEUR/USDであるかがはっきりしてくるのは、9月6日の米雇用統計発表か、あるいは9月18日の米FOMCまで、待たねばならないかもしれませんが、大変注目されます。
EUR/JPYについては、ドル/円とEUR/USDのどちらが主導権を握るかによって、方向が変わってくるものと思われます。