まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルの反発が続いています。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
やっと通常どおりに戻りました。
11月5日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング103,333枚vsユーロショート70,190枚、ネットユーロロング33,143枚(前回ロング72,434枚)です。(前回は10月22日時点です)
尚、同時点の円は、円ロング18,734枚vs円ショート92,526枚、ネット円ショート73,792枚(前回ショート71,802枚)です。
ユーロは、10月31日に発表された9月のEUの失業率が史上最悪だったことや、10月のEUの消費者物価指数の伸び率が鈍化したことから、ECBの利下げ観測が急浮上したことから売られ、ネットロングが前回の半分以下に減少しています。
円はほとんど変わっていません。
さて、今週ですが、ここにきて、米GDPと雇用統計が大幅改善したことで、来年1月にも米量的緩和の縮小との期待が膨らむ一方、ECBの予想外に早い利下げ決定から、ドル高ユーロ安となりました。
円は、ドルには円安ながら、ユーロには円高気味という、玉虫色の状態です。
ドル/円は、目先、気にしておくべきことは、ニューヨークダウの動きではないかと思います。
今回の雇用統計における非農業部門雇用者数は20.4万人(予想12.0万人)、しかも前月、前々月も上方修正しています。
つまり、GDP・雇用改善が、ファンダメンタルズ的に見て、素直にこのまま株高の材料になりドル/円の上昇につながるのか。
あるいはGDP・雇用改善により量的緩和縮小観測が強まることで金利が上昇することに株価が耐えられるのか。
耐えられないと、ドル/円は反落するのか。
こうしたことが、特にドル/円は上昇するのか、あるいは引き続きレンジ相場を続けるかが決まってくるとも確かに言えるかもしれません。
しかし、非常にテクニカル的ではありますが、5日、10日、25日、90日、200日などの移動平均線が収束している中、先週金曜のニューヨーククローズが99.08となったことで、最も高い位置にあった98.51近辺の90日移動平均線をしっかりと上抜いてきていることは無視できません。
ただし、99円台も、輸出企業の売りオーダーはしっかりと並んでいるものと思われ、99円に乗ったから、飛びついて買えるわけではありませんが、押し目は拾っていって良いように思います。
それは、収束した複数の移動平均線を上抜いてきただけではなく、あまりにも、下値が固いことからも、ドル/円は上げと見ています。
日本は、今や貿易赤字国です。
確かに輸出企業からのドル売りも出ますが、それ以上の輸入企業からのドル買いが出ていることは事実だと思います。
つまり、米国の景気・雇用問題あるいは金融政策というファンダメンタルズも相場変動要因ではありますが、たぶんこれらは短期的に相場に影響を与えても、それ以上に日本の輸出入企業の需給関係が長期的にじわりと相場に影響を及ぼすのではないかと思われます。
先週金曜のドルの上昇は、結局、今のドル不足(需給的にドル買いが強いこと)の状況を示しているのではないかと思います。
確かに、今後、ニューヨークダウが急落すれば、日経平均が下落し、ドル/円が下がるという局面はあるかもしれませんが、それはあくまでも、一時的ではないかと思います。
結局、ドル/円は、需給相場ではないかと見ています。
100円までの道のりも、長そうではありますが、押し目で買って、上がったら売るを繰り返すことではないかと思います。
EUR/USDについては、1.3300近辺で下固めできるかどうかだと思います。
しかし、2012年7月以降、何度も下押しはありましたが、そのたびごとに上に押し返していますので、今回も結局は反発するものと見ています。
また、ECBは、先週マーケットが予想するより早く利下げに踏み切りましたが、ドラギECB総裁らしい、早目早目の対応で、決して否定的に取るべきではないように思っています。
ただ、反発には、多少時間は掛かるものと思われますので、目先は様子見で良いように思います。
EUR/JPYは、2012年7月以降の上昇トレンドの中にあります。
目先、131.00近辺の下固めに多少時間がかかるかもしれませんが、再び、上値を試すものと見ています。