まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルは、小反発しています。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
2月18日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング88,634枚vsユーロショート80,035枚、ネットユーロロング8,599枚(前回ショート6,929枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング16,736枚vs円ショート96,520枚、ネット円ショート79,784枚(前回ショート76,786枚)です。
ユーロは、ネットポジションがショートからロングに変わりましたが、ポジション的には小額です。
円は、ほとんど変わっていません。
さて、今週ですが、ドル/円に注目しています。
というのも、日足の複数の移動平均線がかなり収束してきており、ここのところの膠着した相場に動きが出る可能性が出てきていると見ているからです。
私が見ている複数の移動平均線を、高いレベルから低いレベルに順を追って、書き出してみますと以下のようになります。
102.52近辺の25日移動平均線
102.30近辺の5日移動平均線
102.25近辺の10日移動平均線
101.95近辺の90日移動平均線
つまり、101.95~102.52近辺の57銭幅に複数の移動平均線が収束してきており、こういった場合、レンジの上下いずれかにブレイクするタイミングが近づいていることが示唆されています。
今週は、さらにこれら移動平均線の収束は進むものと思われます。
さて、それではどちらにブレイクするかですが、それはこの移動平均線の収束からはわからず、自分自身の相場観や他の分析ツールに頼るしかありません。
私が、最近印象に残ったのは、2月20日(木)の下攻めで、ファンド勢と思われる強烈な売りに、102円台前半から101.67まで下落した時でした。
ファンド勢の売った額は、あくまでも想像の域を脱しませんが、その売りっぷりからして、かなりの額に上ったものと思われます。
それでも、下がり切れず、買戻しに反発となり、翌21日には一時102.83まで上げています。
要は、相場は下がりたがっていない、むしろ上がろうとし始めていると見ています。
また、2月3日以降の安値圏での動きも、下値が徐々に切り上がってきていることも、上方向に向かう可能性を示唆しているものと思われます。
ただし、上も上で、輸出企業からのドル売りオーダーを始め、売りも出てくるとは思いますので、上がれば利食いつつ、押し目は拾うというスタイルが良いのではないかと見ています。
EUR/USDにつきましても、上方向を試すものと思われます。
EUR/USDは、1.3800近辺を昨年の10月以来既に3回試しては失敗していますが、目先4度目のトライとなるものと思われます。
ドル/円とEUR/USDが共に上値を試すことになれば、もちろんEUR/JPYも上昇するものと見ています。
こうした、ドル/円、EUR/USD、EUR/JPY、揃っての上昇のためには、なんらかのきっかけが必要だと思われますが、27日(木)にあるドラギECB総裁講演やイエレンFRB議長の上院銀行委員会での証言、そして翌28日(金)の黒田日銀総裁講演あたりが注目されます。
要は、各金融当局のスタンスが、引き続き緩和的であるかを確認する週になりそうです。
尚、ドル/円の複数の移動平均線が収束してきていることがレンジをブレイクするタイミングが近い根拠として参りましたが、今週が月末の週であり、輸出の売りが月末週に多いことや、投資信託(投信)の決算にからむ円買いが出る可能性もありますので、ドル/円を買うにしてもじっくり引きつける必要がありそうです。