まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルは、反落しました。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
4月8日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング92,635枚vsユーロショート69,335枚、ネットユーロロング23,300(前回ロング33,238枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング13,340枚vs円ショート100,802枚、ネット円ショート87,462枚(前回ショート88,638枚)です。
ユーロは、ネットのユーロロングが若干減りましたが、ポジションの絶対値は小さなままです。
円は、前回とほぼ変わらないサイズのネットショートです。
さて、今週ですが、先週を見ての印象は、全体的にドル安傾向にあるということです。
こうしたドル安局面で、相場のリード役になる傾向があるUSD/CHFを見てみますと、4月4日の0.8952近辺をピークに、現在0.8700近辺の前回の安値を改めて試そうとしています。
ただし、EUR/CHFの1.2000は、SNB(スイス中銀)によって死守されている以上、USD/CHFが下落を続けるということになれば、EUR/USDは上昇せざるをえないということになります。
それでは、この間、ドル/円はどうなるかですが、2月4日に100.76の安値をつけた後、101円前後は確かに堅いところです。
ただし、輸入企業の買いが待っていることなどは、マーケットでは広く知られていることであり、そうなると、敢えて誰も売ってこない、むしろ輸入企業の買いを頼りに手前で買うということが起きます。
そうすると、もちろんマーケットのポジションはロングになっていき、そして相場は重くなり、下げやすくなります。
つまり、堅い堅いと言われるドル/円の下値ではありますが、意外にマーケット参加者のポジションがロングになるともろいものになるのではないかと見ています。
ドル/円は、4月4日に104.13の高値をつけています。
しかし、その時の値動きを思い出してみますと、思った以上に重かった印象が残りました。
なにか、すんなりとは上げさせてはくれない勢力が上にはいるように思いました。
また、結局のところ、2012年10月からのドル/円の上昇相場のために、マーケットの思考回路が、ドル買い円売りで固まってしまったこと自体が、相場を上げられない原因になっているように思います。
その意味からも、一回出直しの相場をやらないといけないように思います。
つまり、一枚岩の思考を叩き潰し、いろいろな見方にわかれないと、相場は動かなくなるのではないかと思われます。
今、全体的、ドル安気味になっていることは、既にお話ししました。
そして、今懸念されているのが、4半期決算の発表が続いている米企業の業績であり、その結果としての米景気に対する悲観的な見方です。
米企業の業績悪化がさらに続くとニューヨークダウは下落、それを受け日経平均も下げ、ドル/円も売られるということが懸念されます。
今週は、米景気指標の発表が前半に多く、後半はイースター休暇となります。
ただし、為替にイースター休暇はありません。
実質、グローバルで東京とニューヨークしかいなくなった薄いマーケットの中、乱高下する可能性がありますので、警戒が必要です。
尚、EUR/JPYですが、ドル/円とEUR/USDの動き方次第ですが、EUR/USDの上げも緩やかですので、下がる可能性の方が高いように見ています。