アイデンティティー
この言葉を身近に使っているのは、IDカード(身分証明書)の「I」で、このアイデンティティー(identity)の頭文字です。
自分のアイデンティティーを知ると言えば、自分は何者なのかを知るということになります。
しかし、自分がだれそれだと思うことがあっても、日本人だと改まって思う機会はあまりないと思います。
私も、そのひとりでしたが、ロンドンに駐在したばかりの時、強烈に自分が日本人であることを感じました。
なにか特にきっかけがあったわけではありませんが、日々イギリス人の社会に接していると、自分が彼らとは違うバックグラウンドで育ってきたということを、いやが上にも実感したためだと思います。
そして、自分でも不思議でしたが、たまらなく演歌が聞きたくなりました。
生まれてからそれまで、演歌には関心がなく、むしろあまり好きではなかったのに、無性に聞きたくなりました。
その時、ああ自分は日本人なんだと、しみじみと思いました。
たぶん、日本というものや、日本が持つものを、知らず知らず、頭に刷り込まれていたのだと思います。
それが、違う文化の世界に身を沈めてみて初めて、自覚することになったのではないかと見ています。
こんな具合に、異文化と接するということは、自分自身を見つめ直すためにも良い機会だと思いますので、是非、色々な国に出かけてみてはいかがでしょうか。