まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドル高が進行しました。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
7月22日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング58,142枚vsユーロショート146,965枚、ネットユーロショート88,823枚(前回ショート62,846枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング11,979枚vs円ショート65,895枚、ネット円ショート53,916枚(前回ショート62,948枚)です。
ユーロは、ネットショート志向が本格化してきています。
それに対して、円のネットショートは減り、円に対するマーケットの関心が遠のいてきているようです。
さて、今週ですが、とうとうEUR/USDがトレンド性のある動きになってきました。
これだけ、ウクライナ情勢、イスラエル情勢が緊迫している状況では、近接しているEUに対して、地政学的リスクを感じて、資金が逃避することは致し方ないことだと思います。
ただし、1.3400前後は、非常に強いサポートゾーンであり、これがすんなりと下抜けできるのか、正直、マーケットの動きを見てみたいと思います。
もし、戻りの弱い状況が続き、静かに1.3400を割り込んでいくようであれば、続落の可能性が高まります。
一方、1.3400突破のために売り浴びせるような、無理矢理売りをするようであれば、反発力が出てくるものと思われます。
このあたりのマーケットのユーロの売り方には、十分注視しておく必要があります。
尚、ユーロがトレンド性のある動きになっている背景は、投資家筋のユーロからの資金逃避が夏休みシーズンでも起きているものと見ています。
なぜなら、既に資金を預けているユーロ圏がまずいことになっているという後ろ向きな資金移動が起きているのであれば、夏休み返上で資金を他に移そうとするものと思われますので、結論的には、まだユーロから資金流出が続くと見ています。
つまり、ユーロはまだ売られる。ただし、売り方によって、反発が大きくなったり、時間はかかるけれど戻りは弱いかのいずれかになると思われます。
また、ドル/円ですが、確かに、102.02近辺にある200日移動平均線を、未だ上抜くことができません。
しかし、既に上方向に動き始めているのではないかと見ています。
ことに、ドル/円の週足を見てみますと、今年の2月以来、ほぼ横ばい状態が続いており、やはり、貿易収支が、原発の運転中止で代替燃料である液化天然ガス(LNG)の輸入が止まらないためです。
因みに、2014年上半期(1~6月)の貿易収支の赤字は、半期ベースでこれまでで最大の7兆5984億円になりました。
こうした恒常的なドル買い円売りが出ているために、ドル/円相場は、横ばいとなっているものと思われますが、本来ドル買いが多ければ、相場は上がるはずなのが上がっていないところに、一時的にドル買いを吸収している、具体的には定かではありませんが、ある存在があると見ています。
その存在が、ドルの買い戻しに出てくると、ドル/円は大きく上げ始めるものと見ています。
EUR/JPYに関しましては、当面EUR/USDの下落が優先されるものと思われますので、下落の可能性が高いものと思われます。
ただし、相場はドル高相場となっているため、あくまでも、EUR/JPYの動きはEUR/USDとドル/円の動き方次第だと見ています。