まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルは、高値を更新して週を終えました。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
10月14日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング59,054枚vsユーロショート224,761枚、ネットユーロショート165,707枚(前回ショート159,371枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング23,883枚vs円ショート91,282枚、ネット円ショート67,399枚(前回ショート71,738枚)です。
ユーロのネットショートは、やや増加気味です。
円のネットショートは、やや減少気味です。
さて、今週ですが、先週31日(土)の日銀の金融政策決定会合を前に、マーケットでは追加金融緩和の憶測が先週初めからささやかれていました。
しかし、先週末、追加の金融緩和が決定されてから、ドル/円が約3円も急上昇したことから、日銀の金融緩和の憶測を、実はマーケットはそれほど真に受けておらず、結構なサイズのショートポジションが残っていたものと思われます。
そして、日銀が追加の金融緩和を決定すると、マーケットは驚きをもって受け止め、相場は急騰となりました。
つまり、マーケットの油断が、ドル/円・クロス円の急上昇を生んだということです。
急騰相場では、ショート筋は、ともかくできるだけ早く損失を確定し、マーケットから逃げることしか考えていませんので、プライスのレベルなど二の次で叩いてくるため、相場はワンウェイ(一本通行)の上昇相場になります。
ところが、買戻しが一巡すると、マーケットのポジションがほぼスクエア(ノーポジになるため)になることから高止まりしてしまいます。
しかし、この高止まり状態が続くと、レベル感やあるいは損失を取り戻そうとして再び売ってくるマーケット参加者が現れることが往々にして見受けられます。
その結果、いったんはスクエアになったマーケットポジションは、再びショートに偏りますが、ロングがほとんどないため、ろくに下がることもなく、返って買戻しによって相場が一段と上昇することになります。
先週金曜は、こうした買戻し→売り直し→買い戻しの繰り返しがあったために、高値圏で越週となったものと見ています。
今週のドル/円は、1日で約3円もの上昇を見たことから、高所恐怖症気味に、まずは売り先行で始まるものと思います。
しかし、先週末と同じく、マーケットはショート気味になるため、下げきれず、逆に高値を更新する可能性があります。
今週の円絡みのイベントとしては、7日に米雇用統計が発表となり、次の方向性が決まってくるのではないかと見ています。
EUR/USDについては、日足のロウソク足の実体(ロウソク足の寄り付きと引け値の間の太い部分)で、1.2500をしっかりと割り込んでくると、下げやすくなるものと思われます。
尚、6日のECB理事会とドラギECB総裁の記者会見に注目です。
EUR/JPYは、先週の金曜、ドル/円の急騰に連れて上げましたが、まだ140.00近辺を中心とした揉み合い相場だと見ています。