ヨーロッパ一人旅 (7話中第5話)
ミュンヘン郊外のお城のユースホステルに着きました。
確かにお城でしたが、小振りでした。
ブラッドブルスト(血入りのソーセージ)が珍味だと聞いていましたので、夕飯にしようと、パンとともに途中で買ってきました。
味は、ハーブも利いていて美味しかったのですが、その夜、お腹を壊してしまいました。
それもそのはずで、後日分かったのですが、このソーセージはボイルして食べるものなのに、生で食べてしまったためでした。
旅が続けられるかと不安でしたが、翌日にはケロッとしていましたので、さすが若かったのだと思います。
そして、ミュンヘンから程近いフュッセンの南にあるノイシュヴァンシュタイン城に出かけました。
ノイシュヴァンシュタイン城は、決して古いものではなく、1800年代後半に中世騎士道への憧れを強く抱いていたバイエルン国王だったルートヴィヒ2世によって建てられたシンデレラのお話から飛び出してきたようなお城です。
お城の裏手には、湖もあり、美しいところでした。
ただ、いかんせん古くないため、あまりどっしりとした風格はありませんでした。
この日は、オーストリアのザルツブルグへ移動するため、ミュンヘン駅に急ぎ戻らなければなりませんでしたが、フュッセン駅までのバスの連絡が悪く、やむなくヒッチハイクをしました。
東洋人で珍しかったのか、若いカップルが乗せてくれました。
こちらは、ドイツ語はわからない、向こうは英語を話さないようでしたので、ごく簡単なドイツ語と英語とジェスチャーで、気まずい思いもせずに、フュッセン駅に着きました。
カップルに、最大級の感謝を告げて、電車に乗りました。
ミュンヘン駅で乗り換える国際特急は、あのオリエントエクスプレスでした。
確か、この年に廃止になるということで、ミュンヘン-ザルツブルグ間と短い距離でしたが、記念にと思い乗車しました。
因みに今でも、ロンドン-ベニス間を走るオリエントエクスプレスがありますが、これは豪華観光列車です。
しかし、折角座席予約までしたのですが、列車は、ドイツからトルコに戻るトルコ人出稼ぎ労働者とその家族で、完全に占領されていました。
通路も人と荷物で埋め尽くされ、予約した席まですら辿り着けませんでした。
出入口の踊り場で立たずんでいたら、車掌さんが検札にきて、座席予約していることに気づき、席を空けてやると言ってくれましたが、短い距離だからいいですと答えるとすまなさそうにしていました。
そして、とっぷりと日の暮れたザルツブルグに到着、早速ユースホステルに向かいました。