これからの展開は(2015/03/08)
まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルは高止まりから、上に放れました。つまり、上昇が再開したものと見ています。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
2月24日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング48,467枚vsユーロショート220,856枚、ネットユーロショート172,389枚(前回ショート177,736枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング33,944枚vs円ショート86,465枚、ネット円ショート52,521枚(前回ショート47,512枚)です。
ユーロも円も、あまり大きな変化はありません。
さて、今週ですが、先週金曜に発表された米雇用統計が、失業率が5.5%(予想5.6%)、非農業部門雇用者数が29.5万人(予想23.5万人)と、特に非農業部門雇用者数が良くドル高相場になりました。
このため、EUR/USDは、大きく売られ、一本調子に1.0839の安値をつけましたが、ドル/円は一時ドル高となり121.29をつけましたが、その後下落に転じ、120.61近辺まで下げました。
EUR/JPYは、EUR/USDの下げに連れて、130.88まで下落しました。
このEUR/USDとドル/円とのドル高方向への動き方の違いで言えることは、EUR/USDが、既に一番底である1月26日につけた安値1.1097を割り込んでいて、下げ方向の道が開けていたのに対して、ドル/円は、未だに昨年12月6日につけた一番天井である高値121.85を上抜いてはいないということが大きいと思います。
つまり、EUR/USDは下方向に既にレンジブレイクして下降トレンドに入っているのに対して、ドル/円はレンジの上限を突破できていないでいるということです。
これにより、下げやすいEUR/USDと、まだ動きにくいドル/円の関係から、EUR/JPYは目先下げやすくなっているものと思われます。
ただし、これは、ドル/円が今のところは上がりにくいということであって、いずれ、上方向にレンジブレイクし、昨年8月から12月に掛けて経験したような急上昇が再来するものと見ています。
したがい、特にEUR/JPYは、ドル/円の急上昇が再開すると大きな反発が突然発生する可能性がありますので、十分な警戒が必要です。
尚、EUR/USDですが、前日のドラギECB総裁が、今回決定した量的緩和について、少なくとも2016年9月までは行うとしたうえで、必要ならばユーロ圏の物価が上昇に向け持続的な変化を見せるまで続ける、つまり、場合によっては、2016年9月以降も量的緩和を続けると述べたことは、そんなにユーロ圏経済は深刻なのだということを示しているものと思い、ユーロ安はこれぐらいのことでは終わらないものと再確認しました。
薄日の指してきた日本と、雨模様のユーロ圏という点からも、目先は、EUR/JPYは重いものと思われます。