ユーロが支配するマーケット
ニューヨークダウは、EUR/USDの下落(ドル高)が、米輸出企業の業績を圧迫するとの警戒感から売りが優勢となり、前日比145.91ドル安の17,749.31ドルで取引を終えました。
米国債10年物利回りは、ニューヨークダウが大幅安となる中買われ(利回り低下)、暫定値ながら前日比0.002%下げて2.114%で引けました。
原油価格は、IEAが発表した3月の石油市場月報から、需給が緩んだ状態が続くとの見方が広がって売られ、前日比比2.21ドル安の44.84ドルで引けました。
金価格は、ニューヨークダウや原油の下落から逃避的な買いが入る一方、EUR/USDが売られたことから上値も重く拮抗し、前日比0.50ドル高の1,152.40ドルで取引を終えました。
為替相場では、EUR/USDの下げが、マーケットをドミネート(dominate、支配する)しました。
EUR/USDは、ロンドンタイムに、一時1.0634近辺まで反発しましたが上値は重く、ニューヨークに入りが下落を強め、一時1.0462近辺まで下げました。
ドル/円は、ニューヨークに入りEUR/JPYが下落したのに連れて、一時121.13近辺まで下げましたが、引け際121.40台まで反発しました。
EUR/JPYは、一時126.90まで下落後、127.40台まで反発しました。
先週の5日、ドラギECB総裁がユーロ圏諸国の国債購入などの量的緩和策を9日から実施すると表明したことに始まり、EUR/USDは1.10台から下落を開始し、それから1週間後には、一時1.0462近辺をつけました。
つまり、1週間で約500ポイントもの下落をし、ユーロの大きな変動の裏には、ドラギ総裁ならびにECBの存在があることを改めて確認した格好です。
1.0500という心理的抵抗線付近で越週となりましたが、トレンド的には、引き続き下落を続けるものと思われます。
もともと今回の下げは、2月26日から開始し、その後戻りらしい戻りがないままに下げているのは、EUR/USDの一方向への資金移動を促す投資家が、戻りを抑えていることが大きく、今度とも、彼らと同じように戻り売りスタンスでいることが大事だと思われます。
また、ドル/円ですが、高値圏で値幅が収束しており、来週の月曜あたりが、上に抜けるかどうかの判断の分かれ目だと見ています。
個人的には、上を見ていますが、EUR/JPYが重いことが、懸念材料です。