腹を割って話す
昔、よく政治家が外遊する時に使った言葉です。
しかし、海外では通用しません。
とことん主張し合って、妥協点を見出すというというのが、見知らぬ同士の交渉のやり方ですから、腹を割って、いくら自分はこう思っているということが本音だと語っても、そうですかで終わってしまいます。
相手には、相手の求める利益があり、少しでも多く利益を得ようとします。
もっと極論すれば、ダメもとでも主張して、自分の主張が通れば儲けものだと考えています。
また、主張してこそ自分の存在感を誇示できるということで、なにしろよくしゃべり、アピールします。
こうしたことは公式な場だけではなく、私的な生活の中でもあります。
日本に帰国が決まった日本人家庭が、家の家具類を職場の同僚や友人に誠意を込めた値段で売ろうとすると、いろいろと売り物の痛み方などについて指摘されて値下げを求められ、とまどったという話があります。
こういった点にも、はじめに主張ありきの社会であるかないかの違いがあります。
しかし、日本は日本だけでは生きてはいけません。
妥協(compromise)も受け入れられる柔軟性が必要だと思います。