これからの展開は(2015/05/31)
まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルの反発は、とりあえず頭打ちです。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
5月26日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング44,221枚vsユーロショート215,961枚、ネットユーロショート171,740枚(前回ショート168,339枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング50,210枚vs円ショート112,434枚、ネット円ショート62,224枚(前回ショート22,005枚)です。
ユーロは、ユーロ安に反転したことを受け、ネットショットがやや増えています。
円は、円安が進んだことから、円ショートが増えていますが、まだ買い過ぎという水準ではありません。
さて、今週ですが、まずドル/円は、これまでのレンジ上限であった122円から2円ちょっと上がっただけなのに、マーケットが騒ぎ過ぎているようで、これだけ騒ぐと、返ってロングが出来づらく、ショートが切れず、下げづらくなるものと見ています。
本来レンジブレイクしたら、買い遅れ組が、一気に買上げることによって、ショートに偏っていたマーケットポジションが、短期間に解消され、上げが一服しますが、少しの上昇にも当局に警戒しているとか、警告していると言った報道が繰り返されると、レンジブレイクで捕まったショートがなかなか買い戻さなくなり、したがって下げづらくなります。
そのため、現状でも、レンジブレイク前にできたショートに加え、レンジブレイク後に売り上がって新たにできたショートを合わせると相当のショートがまだ残っているものと見られます。
どうして、そんなにショートが残っているかと言いますと、値動き分析でわかります。
5月26日に、それまでのレンジ上限である122.04を上抜いて上昇を始めたものの、その後、当局のトークダウン発言(発言で相場を下げる)などが出て下げる局面もありました。
しかし、結局先週金曜の引けは、日足の実体(ロウソク足の寄り付きと引け値の間の太い部分)では124.14と高値引けとなり、マーケットのショートが切れ切れていないことがわかります。
また、こうした相場の転換をすぐ米系ファンドのせいにしたがりますが、それまで半年掛かりのレンジ相場で溜まっていたショートポジションが単に買い戻しているというだけで、あえて米系ファンドの役割は、買い仕掛けにより、ショート筋に買い戻すきっかけを与えているのに過ぎません。
結論を申し上げれば、金曜の米雇用統計は気にはなるものの、現状まだショート筋は、当局の円安牽制発言を期待して、ショートポジションを解消していないだけに、まだまだ上がるものと見ています。
今のところ、個人的には、130.00近辺まで上昇を見ていますが、その水準に達しても、買い気が引かないようであれば、さらに上伸する可能性が出てきます。
しかし、そのあたりについては、130.00に接近してから考えれば良いように思います。
一方、EUR/USDですが、依然上がると見ています。
まず、テクニカル的には、5月27日の寄り付き、高値、安値、引け値が、1.0887、1.0929、1.0819、1.0905となり、下ヒゲが1.0887-1.0819=0.0068、つまり68pips出ており、いったん下を見た可能性はあります。
そして、これまで何度か申し上げてきましたように、欧米勢の6月末の中間決算に絡んで既存のポジションの手仕舞いが始まるのは、5月中旬から6月初頭であり、過去の例からも6月初頭になる傾向が多いようです。
今年の場合、現在残るマーケットポジションは、シカゴIMMポジションの最新の5月26日時点で申し上げますと、ユーロが171,740枚のショートと他の通貨に比べますと、ダントツで大きく、中間決算に絡んだこのユーロショートの手仕舞いが今週以降進むものと見ています。
従って、ドル/円とEUR/USDの買いが共に強まるということになると、EUR/JPYは上昇することになるものと見ています。