まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルは、下げから反発しています。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
5月12日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング38,758枚vsユーロショート207,097枚、ネットユーロショート168,339枚(前回ショート178,976枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング63,398枚vs円ショート85,403枚、ネット円ショート22,005枚(前回ショート23,593枚)です。
ユーロは、ネットショートはさらに減少しています。
円は、円ショートはさらに減っています。
さて、今週ですが、先週は、特にユーロで、ドルショートのロスカットが続いた一週間だったと言えます。
EUR/USDの場合、4月の14日以降、1ヶ月ほど反発上昇を続け、さらに、1.2000あるいは1.2200まで見るという見方を私自身もしました。
なぜなら、ひとつには米国景気が予想ほど良くない一方、欧州景気は意外と良いようだということがありました。
そしてもうひとつには、シカゴIMMポジションで見てみますと、ユーロのネットショートがダントツに大きく、今は、買戻しも出てピーク時よりは減ったとはいえ、直近でまだ168,339枚もあり、この傾向から見る限りでは、6月末の中間決算を前に、これからユーロの買戻しが本格化すると見たためでした。
しかし、先週の相場を見る限りでは、反落する過程で、繰り返しロングが投げていた相場でした。
これからわかることは、今年の場合、まだ中間決算絡みのポジション調整、今年で言えばユーロの買戻しがまだ出ていない中、投機筋の買い下がりが出て、マーケットはロングになり、先週金曜の消費者物価指数のコアの部分が改善したといったことに対しても、マーケットがロングなので過敏に反応して投げが出たのだと思います。
しかし、先週金曜の安値が1.1003だったということは、それなりに意識しておく必要がはあると思います。
つまり、1.1000に大きな買いがいたのだと思います。
もちろん、ロンドン・ニューヨーク不在の月曜のシドニーで、すんなりと割り込んでいる可能性もありますが、私は1.1000に買いで興味をもっている人がいることについては意識しておいて良いように思います。
特に、意識しておきたい人とは、政府系ファンド。ペンションファンド(年金の運用機関)、あるいはちょっと意味合いは違いますが、中央銀行といった、いわゆる投資家筋です。
彼らは、昨年の5月以来、ユーロを売り続けてきましたが、これを買戻しに回ってきている可能性があると見ています。
つまり、その買戻し自体が、6月末の中間決算の絡みの可能性もありますし、また、昨年5月以来、ユーロに資金を置いておくことに不安を感じドルに資金を移しものを、ユーロ自体の景況感が良くなっている上にドル偏重も問題があると見方を変えている可能性もあると考えています。
従い、先週は確かにユーロの続落とはなりましたが、今週はマーケットがベアになって上値が重い可能性がありますが、来週反発するのではないかと見ています。
なぜなら、来週は6月第1週になりますが、過去中間決算のためのポジションの手仕舞い(反対取引)は、6月第1週頃になることが散見されるからです。
因みに、昨年の5月のEUR/USDは、1.3940前後でした。
たとえば、1.1100でこれを手仕舞うとすると、2840pipsの利益が出ることになります。
大きな儲けであり、利益確定を渋る理由はないと思います。
一方、ドル/円ですが、先週は、上げ続けました。
正直、非常に下げづらい相場でした。
そして、3月10日の高値122.03が、視野に入ってきました。
レンジに入って6ヶ月目と、2011年に貿易収支が赤字に転落して以降のレンジ相場が5~7ヶ月ですから、十分レンジ相場を今回もやってきています。
また、5日、10日、25日、90日、120日の複数の移動平均線も収束し、しかも、既に5日移動平均線は、上向いてきています。
こういった諸条件からすると、そろそろレンジブレイクではないかと思います。
レンジブレイクの方向は、買いの堅さからすると、上げだと見ています。
EUR/JPYについては、はっきりとした方向感はありません。
目先、下押しはありそうですが、結局レンジ相場ではないかと思われます。
ただし、ドル/円が、上にレンジブレイクするのであれば、追随するものと思われます。