まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルは、月曜に大きく下げた後反発しましたが、結局週足としては、下ヒゲを長く出して陽線引けとなりました。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
8月25日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング87,807枚vsユーロショート153,885枚、ネットユーロショート66,078枚(前回92,732枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング59,922枚vs円ショート98,981枚、ネット円ショート39,059枚(前回ショート90,130枚)です。
相場が大きくドル安に動いた24日の翌日のこともあって、ユーロロングが増えることによってユーロのネットショートが結構減り、また円ショートがかなり減ることによって円のネットショートもかなり減りました。
さて、今週ですが、先週の月曜、中国の景気減速懸念を受けたパニック的なドル売りに、一時ドル/円は116.15まで急落、EUR/USDは1.1713、までの急騰を見ました。
たまたま、翌日が火曜でシカゴIMMポジションの毎週公表されるポジションの基準日でしたが、それによりわかったことは、EUR/USDでは、新規のロングがかなりできたことによってユーロのネットショートが減ったのに対して、ドル/円ではドル/円のロング(円ショート)の投げが大きく出たことでネットショートポジションが減ったということでした。
つまり、ネットポジションが減ったといっても、EUR/USDは新規のユーロ買いとドル/円はドルロング円ショートの投げという具合に、その内容が違ったわけです。
いすれにしても、欧米勢の実質的な下期のスタートは、9月の第一週月曜のレーバーデー(今年は9月7日)明けとなるのが一般的ですが、最近の傾向として、8月の後半から動き始めており、たとえばドル/円の場合、昨年は8月18日頃ドル買いがスタートし、暮れまでに約20円の上昇を見ました。
そして、今年は、8月19日から下げ始め、第一ラウンドは8月24日で終わり、いったん調整相場に入っているものと見ています。
一方、EUR/USDは、昨年は、既に5月から下落相場に入っていましたが、9月4日に大きく売りが出て、そのまま、今年に3月13日まで下げ続けました。
今年の下期のトライは、8月19日頃から買いで入り始め、先週月曜に1.1713まで急騰しました。
そして、これは、新規のユーロ買いだったわけです。
しかし、これは、ドル/円の急落を見ての、ユーロ買いであり、「大いなる勘違い」だったと思われます。
そのため、翌々日から、あっけなく反落をすることになりました。
さて、ドル/円にしても、EUR/USDについても言えることですが、実質的な下期のスタートを迎えるにあたり、マーケットはテーマをほしがっています。
相場を張っていくためには、「これこれという理由があるから、上げだ下げだ」と言えるわけで、言い換えれば、相場のストーリー(筋書き)を欲しています。
今年これまでの、テーマは「米FOMCの利上げ」、「ギリシャ問題」、「ECBの金融緩和」そして最近では「中国経済の減速」などあります。
テーマとして大事なことは、フレッシュ(新鮮)かどうかということです。
ギリシャは大きく後退しました。
アメリカの利上げは、まだ話題としてよく上がりますが、テーマとなってもう1年以上も経っていることから、結構ステール(陳腐化)していると、個人的には思います。
実際、実施したとしても、素直な反応は長続きしないのではないかと考えています。
やはり、台風の目は中国だと思います。
しかも、今週の3日(木)には、抗日戦争勝利70周年記念式典が開かれますが、一説には、それまでは、中国株は買い支えられるものの、その後はどうなることかわからないとも言われており、十分な警戒が必要です。
また、ここにきて、中国が保有する米国債の売却観測も出ており、確かになにがあってもおかしくはないと思います。
先週後半、いったんは落ち着きを取り戻した各市場ですが、それで一服と見るよりは、リスクはまた発生すると見ておくべきではないかと思います。
そして、リスクが再び発生すれば、リスク回避の円買いになると思います。
しかも、貿易収支は、もはやドルを買い支えるほど赤字ではないということを忘れてはならないと思います。
EUR/USDについては、原油安や中国経済の減速がユーロ圏の物価上昇の重しとなっているもようで、ECBの追加緩和の可能性が強まるものと見ており、ユーロ売りドル買いが強まるものと見ています。
そして、ドル/円もEUR/USDも下げることになれば、EUR/JPYは大きく下げるものと見ています。