これからの展開は(2015/11/01)
まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルは、高値圏で揉み合いです。
次に、シカゴIMMポジションを見てみましょう。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
10月27日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング70,351枚vsユーロショート176,285枚、ネットユーロショート105,934枚(前回62,566枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング36,437枚vs円ショート70,348枚、ネット円ショート33,911枚(前回ショート6,639枚)です。
ユーロも円も、ネットショートが増加しています。
さて、今週ですが、金曜に舞い込んできたニュースで、驚いたのは、ドイツ最大手行であるドイツ銀行が、今後2年間で3万5000人を削減する計画を明らかにしたことでした。
この銀行の従業員数が8万人ですから、半分近い従業員をリストラするということで、9月には8000人の削減といったニュースも出た時点でも、従業員1割カットで、すごいものだと思いましたが、それを大きく上回る従業員の約半分をカットすることになったことは驚きです。
同行がそのような事態に陥ったのは、伝統的なドイツ型経営手法から、アメリカの経営手法であるグローバルスタンダードに乗り換えたことでした。
より具体的に申し上げますと、米ゴールドマンザックスのような投資銀行になることを標ぼうしましたが、それが裏目出たものと思われます。
その証拠に、投資銀行部門のリストラを先行させるもようです。
事ほど左様に、ドイツ企業・銀行は、グローバルスタンダードを導入し、結果的にはうまくは行かず、たとえば、米クライスラーと合併したメルセデス・ベンツが、その後合併を解消したり、結構、米系を取り込んだ副作用が出ています。
ドイツは、それに加えて、難民問題もありますので、財政的にも大変だと思われます。
ということで、引き続き、ドイツが盟主であるユーロ圏は、ドイツが失速すると大変なことになるものと見ています。
一方、ドル/円は、先週金曜の日銀の金融政策決定会合で追加緩和が見送られたのにもかかわらず、米系ファンドは無理矢理121.50まで買い上げましたが、上げもそこまでで、反落となりました。
米系ファンドにしてみれば、2014年10月31の黒田バズーカによる急騰よもう一度ということで、月末日に当たった10月30日に買いで仕掛けたものの失敗し反落となり、上値の重さを確認した格好です。
昨年7月からの原油安で、貿易赤字は大幅に減少し、ドル/円の下支えはなくなっていると思われますので、基本的には戻り売りで良いように思います。
そして、EUR/JPYですが、EUR/USDとドル/円は共に下落の可能性がありますので、EUR/JPYも下落する可能性が高いと見ています。
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