これからの展開は(2016/07/31)
まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルは、大きく反落しました。
次に、シカゴIMMポジションです。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
7月26日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング191,193枚vsユーロショート221,793枚、ネットユーロショート112,600枚(前週 ショート99,891枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング74,074枚vs円ショート39,116枚、ネット円ロング34,958枚(前週 ロング39,353枚)です。
ユーロのネットショートがさらに増えています。
円のネットロングはさらに減っています。
さて、今週ですが、先週の金曜は、まず、日銀の金融政策決定発表前から、ミスプライスで急落したかと思えば、追加緩和を発表した直後の急騰、そしてそこから急落となりました。
そして、いったんロンドンで落ち着いたかに見えましたが、ニューヨークに入り、発表された第2四半期実質GDP・速報値は1.2%と予想の2.5%を大きく下回り、改めて下落しました。
その他、EUR/USDは上げ続け、EUR/JPYは下げ続けました。
ただし、ドル/円で言えば、100.00~107近辺のレンジがブレイクしたわけではなく、EUR/USDは、1.0900から1.1600近辺をブレイクしたわけでもなく、そして、EUR/JPYでは111.00~118.近辺のレンジがブレイクしたわけでもありません。
つまり、レンジ相場にはまりこんでしまっています。
ここで、なぜ、レンジ相場になるかについて、確認しておきましょう。
逆に、一方向に継続的に流れるフロー(資金の流れ)があればこそ、トレンド相場(一方向に進む相場)になります。
一方向に進む相場になるためには、単に米雇用統計が良かったとか、あるいは、相場を震撼とさせる大事件が起きるとかだけでは、続きません。
もちろん、一時的に、一方向には動きますが、リアルなフローが無くては、続きません。
問題は、このリアルなフローとなにかということです。
それは、ビッグプレイヤーとしての、政府系ファンドや、ペンションファンド(年金運用機関)や、中央銀行や、時には大手の米系ファンドときもあります。
こうしたところは、たとえば、米雇用統計や、大事件などにより、実際に資金を大量に移動させようとすると、トレンド相場になります。
つまり、気合で資金を動かしても長続きしませんが、リアルなマネーが資金を移動すると方針を決め、継続的資金を動かすことになると、長い期間、同方向に資金が流れることにより、トレンド相場が形成されます。
そうしたリアルなマネーの特徴として、休む時は休み、動く時には動くというトレードスタンスがあります。
休む時とは7月から8月の夏休み、12月後半のクリスマスです。
一方動く時とは、新年度した1月から5月は前向きに動く時期、6月は中間決算で手仕舞い、9月は下期の実質的なスタートから11月、12月前半は下期の手仕舞いといった具合です。
ですから、今の時期は、こうしたリアルなマネーは動かないわけです。
したがって、マーケットに残っているのは、投機筋だけになります。
投機筋の宿命は、売ったら利食いか損切りのために買い戻さなければなりません。
また、買ったら利食いか損切りのために売り戻さなければなりません。
つまり、相場が往って来いになりやすいと言えます。
先週の金曜、ドル/円は下げて引け、EUR/USDは上げて引け、EUR/JPYは下げて引けています。
しかも、どれもレンジ内です。
月曜は、レンジブレイクを狙ってくるものと思われます。
それは、多少のブレイクはあるかもしれませんが、リアルなマネーが動いていない以上、結局は、往って来いになるものと思われます。
金曜に予定されている米雇用統計についても、同様だと思いますので、あまり無理をしないことだと思います。
このように、相場には、力を入れるべき時と流すべき時があります。
このあたりのメリハリがつくようになることが大切です。