まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
ドルは、小緩んだものの、高値圏を維持しました。
次に、シカゴIMMポジションです。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
11月28日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング136,108枚vsユーロショート255,348枚、ネットユーロショート119,240枚(前週 ショート119,348枚)です。
尚、同時点の円は、円ロング72,121枚vs円ショート72,393枚、ネット円ショート272枚(前週 ロング10,900枚)です。
つけ加えて、同時点のポンドは、ポンドロング50,806枚vsポンドショート128,941枚、ネットポンドショート78,135枚(前週 ショート74,318枚)です。
さて、今週ですが、早速、今日日曜日は、イタリアの憲法改正の是非を問う国民投票が行われ、レンツィ首相に対する事実上の信任投票と受け止められていることから、否決されれば、政治の不安定化やマーケットへの影響も懸念されています。
憲法改正の内容は、議会上院の権限を縮小し、原則として下院の承認だけで政府の信任や法案の成立を可能にするというものですが、支持を集めている新興政党「五つ星運動」は、政府の権限を強めることになるとして反発しています。
レンツィ首相は、今回の投票が否決されれば辞任する可能性も示唆しており、実際、否決されれば、政治の不安定化やマーケットへの影響も懸念されます。
さらに、オーストリアで、大統領選挙の決選投票が、本日行われます。
5月に大統領選挙あり、与党のファン・デア・ベレン氏が、いったんは僅差で自由党のホーファー氏を抑え、勝利を収めましたが、開票作業に不正が見つかり、投票がやり直しとなったわけです。
ホーファー氏は、内外から極右と指摘されていて、争点となっている難民や移民への対応に、寛容なファン・デア・ベレン氏とは異なり、EUの方針に反してでも規制を強化すると主張しています。
現在支持を伸ばしているホーファー氏が当選した場合、EUで始めて極右の元首が誕生することになります。
そういう意味では、確かに先週金曜は、ポジション調整からEUR/USDは、買い戻されましたが、イタリアの国民投票とオーストリアの大統領選次第では、改めてEUR/USDは売られる可能性があります。
しかも、いずれの結果も、日本時間の月曜午前には判明するものと思われますので、十分な警戒が必要です。
さらに、これらのヨーロッパのイベントがドル/円にどう影響するかです。
イベントの結果がどうでるかにもよりますが、よりインパクトが大きいのはイタリアの国民投票が否決になり、オーストリアの大統領選でホーファー氏が勝った場合だと思います。
そうなるとして、ひとつには、EUR/USDが下げて(ドル買い)、ドル/円が上がるのか。
もしくは、EUR/USDの下落を受けてEUR/JPYが下がり、そしてそれに押されてドル/円が下がるかということです。
個人的には、まずは、EUR/JPYに押されて下がるのではないかと見ています。
しかし、今回のドル/円急騰によって、輸入企業の買い遅れが目立っているようですので、下がったところは、買いが待っているものと思われ、買いを飲み込むと、ドル高方向に反発するのではないかと見ています。
実際、ドル/円については、まだまだ、天井を見ていないと思っています。
11月7日以来、たくさんの陽線が出ていること、しかも、下値を切り上げているところに、この「相場の若さ」(始まったばかりのフレッシュな相場)を感じます。
こうした相場の時の、マーケット参加者の多くが乗り遅れている、あるいは、残念なことではありますが捕まっている状況です。
こうなると、マーケットのポジションは、あまりロングになっていないか、むしろショートが残っている状況です。
いわゆる、投機筋だけでなく、輸入という実需、あるいは、これは私も聞いて驚いたのですが、ノーヘッジだと見ていた機関投資家が逆にヘッジ売りで捕まってしまっているもようです。
こうなると買えてていない人ばかりということになり、これだけ一直線に上げてきても、それほどロングにはなっていないものと思われます。
今回の上昇のピークが、114.83近辺(インターバンクは114.73)とされていますが、115.00の売りの手前で止まっています。
こんな時に個人的に思い出されるのは、同じような状況で、マーケットでは、115.00(※これはあくまで過去の例です。今回状況が必ずしも同じとは限りません。レート水準はあくまでわかりやすいように現状付近のレートを使っています)以上に輸出企業のドル売りが死ぬほどあって、上がるはずがないと言われていました。
しかし、下がらず、ジリジリと上げて114.90-00近辺で張り付いてしまいました。
この張り付くということが大事で、つまり、みんな、115.00以上に死ぬほど売りがあると信じて戻り売りをしてしまったためにマーケットがショートになったわけです。
その時、ニューヨークにいた私は、お客さんから2億ドル(200本)のプライスを求められ、114.90-95のマーケットで、瞬間マーケットはショートだと読み、114.95-115.00で出しました。
お客さんは、115.00で、200本買って帰って行きました。
それから、チーム一同で買いまくり、115.00以下ですべて買い終わりましたが、その1~2分後、ロケットがズズズと発射するように上がり出し。30分後には117.00を超えていました。
つまり、マーケット情報や噂に頼らず、自分が受ける、マーケットが堅いのか重いのかということを、自分の五感やチャートから読み取ることが大切です。
それが、値動き分析というものです。
ちょっと余談でしたが、いずれにしても、今はドル不足です。
ドル不足というのは、相場の需給で、ドルが不足している、つまり、ドル買い需要が強いということです。
そうした、ドルの需給関係が不足しているなら、ドルの下げは買いが待っている以上限定的であり、ドルの上げは大きくなると考えています。
EUR/USDについては、1.0500がしっかりと切れてくると、新しい下落トレンド開始するものと思います。
EUR/JPYについては、目先、ドル/円とEUR/USDとの綱引きで、あまり方向感はないのではないかと見ています。