米経済指標のトレーダー的読み方
発表される米国の各経済指標は、依然として世界各国の経済指標の中で一番注目されていおり、トレーダーとしてこれをどう読むかということは、大変重要です。
米経済指標が発表されると予想より良ければ素直に買い、悪ければ素直に売りになる時と、予想より良いのに上げ渋ったり、逆に下げてしまったりすることがあったり、また予想より悪いのに下げ渋ったり、逆に上がったりする時があります。
これは、その時々のマーケットセンチメント(市場心理)によるためで、事前に現在のマーケットが発表される指標に対してどういう結果を期待していて、発表後どう動きたがっているかということを読んでおく必要があります。
経済指標は、それだけが単体で存在しているのではなく、それまでの相場の流れを色濃く反映していますので、その相場の流れの一部として、発表される経済指標を見る必要があります。
平静なマーケットであれば、発表結果には素直に反応しますが、たとえば、ドル安地合いのマーケットでは、弱い指標に売りで反応しやすく、強い結果には反応薄です。
また、ドル高地合いのマーケットでは、強い指標には買いで反応しやすく、弱い結果には反応薄と見ておくべきでしょう。
気をつけなければならないのは、相場の変わり目の時に発表される指標で、今までなら、ドル安に反応しやすかったのが、逆にドル高に反応しやすくなることがあり、こういう時は、相場の潮目が変わってきていることを示す重要サインですので、気のせいにせず十分意識しておく必要があります。
潮目の変わってきている時の指標発表前の相場は、たとえば下げの相場がある程度続き、相場に馴れが生じている、つまり、ショートポジションが結構積み上がってきている時に起きやすいと言え、ある程度一方向に相場が続くのは注意信号だと見ておくべきかと思います。
また、マーケットセンチメントを読むためには、たまに日経新聞に出る為替ディーラーの見方の偏りなども逆指標として有効ですし、日々で言えば、やはりプライスリアクション(値動き)が読むことが重要だと思います。