これからの展開は(2017/10/15)
まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
反落です。
次に、シカゴIMMポジションです。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
10月10日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング195,816枚vsユーロショート97,737枚、ネットユーロロング 98,079枚(前週 ロング90,833枚)です。
また、同時点の円は、円ロング51,655枚vs円ショート153,074枚、ネット円ショート101,419枚(前週 ショート84,643枚)です。
つけ加えて、同時点のポンドは、ポンドロング79,610枚vsポンドショート64,102枚、ネットポンドロング15.508枚(前週ロング19.949枚)です。
ユーロは、ほとんど変わりません。
円のネットショートは、増加しています。
ポンドは、ほとんど変わりません。
さて、今週ですが、ひとつ気になったのは、シカゴIMMのネット円ショートが1万7千枚ほどと結構増えていることです。
ユーロやポンドのポジションは、それほどでもないのに、円ショートが増えている一因は、日経平均の上昇を見て円売りしているからだと思います。
しかし、それにもかかわらず、ドル/円は上値が重くなっています。
要するに、従来からの株高円安ではなく、株高円高になっているということです。
https://nikkei225jp.com/chart/
この株の上昇を値動き分析的に言えば、買戻しによるジリ高が進行していて、先週金曜は、一段のショートのロスカットが出た形状をしています。
一方、ドル/円の方は、積極的買い上げてきたためロングが積み上がり、上値が重くなって反落を初めている可能性があります。
もしかしたら、リーマンショック以降の株高円安の構造から株高円高に、根本的な変化が出てきている可能性があります。
それは、リーマンショック以降のグローバルな景気後退・金利下落局面が、最近、IMFも指摘しているグローバルな景気回復見通し、それに伴う金利上昇局面へと転換していることが、従来の株と為替の関係に根本的な変化を与えてきている可能性があります。
つまり、今までの流行りだったリスク・オン、リスク・オフとは違う相場展開になるのではないかと思われます。
いまだ、通貨全般にどうなるのかという全容は掴めませんが、ドル/円でいえば株高円高(株安円安)の相場展開になるのではないかと、現在考えています。
いずれにせよ、大きなエポック(ある年代の起点となる年・事件)転換の時を迎えているように思われます。
たとえば、日本で言えば、これまで上がらなかった株がどんどん上がる株に、株高でも円高になるドル/円こうした今までにはあり得なかったことが起きる可能性があるのではないかと思います。
尚、これは、決してこれまでなかったというわけではなく、古くは終戦、プラザ合意、リーマンショックなど、まったくガラリと時代が変わってしまったことはあり、今回が、リーマンショック(2008年)からだとしても、たった9年のことですから特に驚くには値しないと思います。
ただし、9年ぐらいのことだとしても、一回そのムードに浸ってしまうと、それがこれからも続くと思うようになるのが、人間の性(さが)だと言えるでしょう。
いずれにしても、相場がまた面白くなりそうだと考えています。